2021.11.19(金) |
高精度•自動の植物3次元モデリング装置を 「アグリビジネス創出フェア2021」に出展 農研機構•かずさDNA研究所 |
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農研機構は高精度•自動の植物3次元モデリング装置を、11月24日(水)から26日(金)に東京ビッグサイト青海展示棟で開催される「アグリビジネス創出フェア2021」※に出展する。本装置は植物形態の計測を自動化するため、かずさDNA研究所と共同開発したものだ。草丈数mm~2.4mの植物の形態を、世界で初めて1mm~2mmの精度で可視化•数値化することに成功した。高精細な3次元モデルによる植物成長記録をビッグデータとして取得し、AI等と融合させた新たな農業分野の構築に貢献する。
<概要>
農研機構とかずさDNA研究所は、ボタン一つで1mm~2mm精度で数mm~2.4mの植物を全周自動モデリングする3次元モデリング装置を世界で初めて開発し、民間企業や大学等、複数の機関への導入を図っている。農研機構は本装置を11月24日(水)から26日(金)に東京ビッグサイト青海展示棟で開催される「アグリビジネス創出フェア2021」に出展する。
従来、植物の形態(器官の配置、形状等)を評価する際は、定規やノギスでの測定、達観評価(「大きい」「小さい」など、人が見た感覚で指標を決めて評価する方法)に頼ってきたが、これらの方法では複雑な形態を詳細に数値化することは困難であった。
今回、新たに開発した「CLCFM 3法:Closed Loop Coarse to Fine Multi-Mask-Marching Method」で画像処理を行うことで、ノイズや欠損のない高精度3次元モデルの自動取得が可能になった( 図1、 図2)。
本装置は既にイチゴやレタス、(~40cm)、イネ、ダイズ、スギ(~1m)、ナス、トマト、パプリカ(~3m)など様々な大きさの植物に適用されており、数mm~2.4mの植物の3次元モデルを1mm~2mmの精度で取得することに成功している。また、3次元モデルに時系列処理を加えることで植物の成長過程を詳細に追跡することも可能だ。
今後は、人工気象器内に設置可能な小型装置の開発や屋外対応装置の開発など適用範囲を拡大させる予定だ。また、本装置により得られるビッグデータと育種研究やAI研究を融合することにより、新たな農業研究分野の構築に貢献することが期待される。
※「アグリビジネス創出フェア2021」ウェブサイト( https://agribiz.maff.go.jp/)。全国の機関が有する、農林水産•食品分野などの最新の研究成果を分かりやすく紹介し、研究機関間や研究機関と事業者との連携を促す場として開催される、技術•交流展示会である。
<関連情報>
予算:農林水産省委託プロジェクト、JST•CREST「環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出」(JPMJCR16O1)
特許:特開2020-197407、特開2020-197493
問い合わせ先
研究推進責任者:農研機構基盤技術研究本部 農業ロボティクス研究センターセンター長 中川潤一研究担当者:農研機構基盤技術研究本部 農業ロボティクス研究センター主席研究員 高地伸夫
公益財団法人かずさDNA研究所 先端研究開発部研究員 七夕高也
広報担当者 : 農研機構基盤技術研究本部 研究推進室渉外チーム長 野口真己
公益財団法人かずさDNA研究所 広報•研究推進グループ 三木双葉
<詳細情報>
本装置の特徴
・高精細な3次元モデルによる植物成長の記録、観察、計測、解析が可能になります。
・回転テーブルに植物を置いてボタンを押すだけで、誰でも"簡単"に"高精細"な植物の全周3次元
データが取得できる。
・計測精度として世界で初めて1.5mの植物で1mm以下、2.4mの植物で2mm以下を達成した。
・撮影10分、解析30分~1時間半(解析時間は植物の大きさによる)。
発表論文
1.Kochi, N., Tanabata, T., Hayashi, A., and Isobe, S., "Development of 3D measuring system and measurement assessment of strawberry fruits. Large-Scale Point Cloud Processing," International Journal of Automation Technology, vol.12, no.3, pp.395-405, 2018.
2.Kochi, N., Isobe, S., Hayashi, A., Kodama, K., and Tanabata, T., "Introduction of all-around 3D modeling methods for investigation of plants," International Journal of Automation Technology, vol.15 no.3, pp.301-312, 2021.
参考図
図1システム構成
図2レタスの全周3次元モデル
<概要>
農研機構とかずさDNA研究所は、ボタン一つで1mm~2mm精度で数mm~2.4mの植物を全周自動モデリングする3次元モデリング装置を世界で初めて開発し、民間企業や大学等、複数の機関への導入を図っている。農研機構は本装置を11月24日(水)から26日(金)に東京ビッグサイト青海展示棟で開催される「アグリビジネス創出フェア2021」に出展する。
従来、植物の形態(器官の配置、形状等)を評価する際は、定規やノギスでの測定、達観評価(「大きい」「小さい」など、人が見た感覚で指標を決めて評価する方法)に頼ってきたが、これらの方法では複雑な形態を詳細に数値化することは困難であった。
今回、新たに開発した「CLCFM 3法:Closed Loop Coarse to Fine Multi-Mask-Marching Method」で画像処理を行うことで、ノイズや欠損のない高精度3次元モデルの自動取得が可能になった( 図1、 図2)。
本装置は既にイチゴやレタス、(~40cm)、イネ、ダイズ、スギ(~1m)、ナス、トマト、パプリカ(~3m)など様々な大きさの植物に適用されており、数mm~2.4mの植物の3次元モデルを1mm~2mmの精度で取得することに成功している。また、3次元モデルに時系列処理を加えることで植物の成長過程を詳細に追跡することも可能だ。
今後は、人工気象器内に設置可能な小型装置の開発や屋外対応装置の開発など適用範囲を拡大させる予定だ。また、本装置により得られるビッグデータと育種研究やAI研究を融合することにより、新たな農業研究分野の構築に貢献することが期待される。
※「アグリビジネス創出フェア2021」ウェブサイト( https://agribiz.maff.go.jp/)。全国の機関が有する、農林水産•食品分野などの最新の研究成果を分かりやすく紹介し、研究機関間や研究機関と事業者との連携を促す場として開催される、技術•交流展示会である。
<関連情報>
予算:農林水産省委託プロジェクト、JST•CREST「環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出」(JPMJCR16O1)
特許:特開2020-197407、特開2020-197493
問い合わせ先
研究推進責任者:農研機構基盤技術研究本部 農業ロボティクス研究センターセンター長 中川潤一研究担当者:農研機構基盤技術研究本部 農業ロボティクス研究センター主席研究員 高地伸夫
公益財団法人かずさDNA研究所 先端研究開発部研究員 七夕高也
広報担当者 : 農研機構基盤技術研究本部 研究推進室渉外チーム長 野口真己
公益財団法人かずさDNA研究所 広報•研究推進グループ 三木双葉
<詳細情報>
本装置の特徴
・高精細な3次元モデルによる植物成長の記録、観察、計測、解析が可能になります。
・回転テーブルに植物を置いてボタンを押すだけで、誰でも"簡単"に"高精細"な植物の全周3次元
データが取得できる。
・計測精度として世界で初めて1.5mの植物で1mm以下、2.4mの植物で2mm以下を達成した。
・撮影10分、解析30分~1時間半(解析時間は植物の大きさによる)。
発表論文
1.Kochi, N., Tanabata, T., Hayashi, A., and Isobe, S., "Development of 3D measuring system and measurement assessment of strawberry fruits. Large-Scale Point Cloud Processing," International Journal of Automation Technology, vol.12, no.3, pp.395-405, 2018.
2.Kochi, N., Isobe, S., Hayashi, A., Kodama, K., and Tanabata, T., "Introduction of all-around 3D modeling methods for investigation of plants," International Journal of Automation Technology, vol.15 no.3, pp.301-312, 2021.
参考図
図1システム構成
図2レタスの全周3次元モデル