酸味と甘みのバランスが良く、貯蔵性に優れ 、収量が多い
EU地域での本格的生産拡大、EU全域及び周辺地域への販売拡大
14.05.23(金)
県果樹試験場が育成した果汁が多く、酸味と甘みのバランスが良いりんご品種の「シナノゴールド」(平成11年品種登録、酸味と甘みのバランスが良く「良 食 味」 、貯蔵性に優れ 、収量が多い)は、平成19年にイタリア南チロルの果実生産者団体(VOG、VI.P)に栽培許諾され、昨年までの試験栽培で良好な評価が得られたことから、本年度より商業栽培が開始される。
「シナノゴールド」
平成11年品種登録
酸味と甘みのバランスが良く良食味。貯蔵性に優れ、収量が多い。
これまでの経過は平成19年12月27日にイタリア南チロルの果実生産者団体(VOG、VI.P)と「品種シナノゴールドに関する利用許諾契約」を締結。平成23年9月11日に阿部知事がイタリアを訪問し、試験栽培の状況を確認。商業栽培に係る契約内容を協議。平成26年3月25日付で商業栽培に関する覚書を締結し、平成26年から商業栽培開始した。
平成26年から面積拡大に向けての苗木供給、EU内での限定販売によるブランド化•商標の定着に向けてのPR。今後は大規模商業栽培へ発展に向けて、平成29年からEU地域での本格的生産拡大、EU全域及び周辺地域への販売拡大、プレミアム商材としての販売戦略の構築をしていく。
商標(販売する際の商品名)は「 yello 」。 「yellow(黄色)」と「hello(ハロー)」からなる造語で、黄色が持つ明るく楽しいイメージを連想させる。 ターゲットは20~30 代の若者世代だ。※販売時には品種名「Shinano Gold」がEU規則により表示される。またカタログ、パンフレット等で日本国長野県の育成品種である旨を明記し、長野県をPRする。
なお、5月29~30 日にVOG最高経営責任者他、関係者が大規模商業栽培に向けての協議のため、来県する。
参考までに南チロルはイタリア北部に位置し、標高200~1,000mでりんごを栽培。VOG(南チロル果物生産者協同組合)は標高が低い地域の生産者団体。VI.P(ヴァルヴェノスタ協同組合) は標高が高い地域の生産者団体。南チロルのりんご栽培面積は18,750ha(長野県は7,710ha)。その内、黄色リンゴ「ゴールデンデリシャス」 の栽培面積は6,900ha。「ゴールデンデリシャス」は古い品種のため(1890年育成)、VOG,VI.Pは新たな黄色品種として「シナノゴール ド」への転換を目指している。