2022.11.27(月

<外食市場10月の動向>
穏やかな天候とインバウンドが
追い風となり、回復基調続く

   一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF、本部東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査 2023年10月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019 年同月比も算出し掲載している。

   10月の全体概況は天候に恵まれ晴れの日が多く、人流の回復傾向が続いている。円安の影響で訪日外国人客数がコロナ禍以降で初めて19年比を上回るなど、インバウンド需要は引き続き旺盛で、外食全体の売上げは108.8%となった。
   19年比では116.6%と大幅増に見えるが、これは19年10月に消費増税や大型台風の直撃で売上げが振るわなかったことが背景にある。また、継続的な物価高から引き続き価格改定の動きがある一方、消費者の節約志向に合わせた価格訴求型のメニュー施策も一部では見られた。
   業態別概況では、ファーストフード業態の全体売上げは107.3%、コロナ禍前の19年対比では127.0%となった。「洋風」は前月からの季節限定メニューが好評で、価格改定による単価上昇もあり、売上げは104.7%。「和風」は定番の季節メニューが好評で売上げ113.2%となった。
   「麺類」は手頃な価格帯の店では平日、夜間ともに集客好調で売上げ112.2%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」で少量販売や手頃なランチセットなどの工夫が見られ、売上げは102.5%。「その他」は比較的気温の高い日が多く「アイスクリーム」のハロウィーンキャンペーンが好調、売上げは111.9%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは前年比110.4%、19年比は111.0%となり、いずれの業種でも19年を上回った。価格訴求のクーポンやメニューが集客に寄与し、「洋風」は売上げ111.3%、「和風」はインバウンド需要の高まりもあり、売上げ110.8%。「中華」は価格改定を行うも客数は継続して好調を維持し、売上げ111.7%。「焼き肉」は一部で店舗減•売上減が見られるものの、客単価の上昇で売上げは105.1%となった。
   パブ・居酒屋業態の「パブ・居酒屋」は、天候が安定し、気温も高めに推移したことで、ビール販売が好調。店舗数削減が続いているが、団体や深夜の利用が少しずつ回復し、客数•客単価の上昇により売上げは前年比112.0%、19年比で71.4%となった。
   ディナーレストラン業態は円安が続くなかで、特に観光地のインバウンド集客が好調で客数と客単価を押し上げ、売上げ110.7%、19年比で103.4%となった。喫茶業態はオフィス街や観光地などで人流が回復し、客数105.9%、客単価108.8%、売上げ115.3%となった。

   この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。