2022.05.25(木)

<外食市場4月の動向>
コロナ規制が緩和に向かう中、売上げは
一見好調も厳しい状況は変わらない

   一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF=ジェフ、本部東京都港区、近藤正樹会長)は協会 会員社を対象とした外食産業市場動向調査2023年4月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。

   4月はマスク規制の緩和や、コロナ感染症の5類移行を見据えた動きにより、消費者の外食意欲が戻り、 歓送迎会や春休みの需要が好調だ。またインバウンドも回復傾向にあり、外食全体の売上げは115.8%、19年比でも107.0%となった。だが、世界情勢の変化に伴う諸コストの上昇分を価格転嫁だけで補うことは難しく、経営的には厳しい状況が続いている。
   業態別概況ではファーストフード業態の全体売上げは112.9%、19年対比では121.5%となった。価格改定に加え、好調な新商品やテイクアウト•デリバリーの定着、店内飲食の戻りで「洋風」は売上げ111.2%、「和風」は117.0%となった。
   「麺類」も商業施設立地店などの堅調により売上げ118.0%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、メディア露出や価格改定により売上げ109.2%。「その他」は「アイスクリーム」が復刻メニューやバラ エティパックなどテイクアウト商品の好調で、売上げ112.8%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは前年比118.0%、19年比で96.0%となった。春休みやGWの始まりで、回復傾向が続き「洋風」は売上げ117.1%、「和風」は118.9%となった。「中華」は新商品や各種キャンペーンなどの展開で売上げ116.6%。「焼き肉」は引き続き郊外立地店舗で家族客の支持があり、加えて比較的低価格な業態では学生グループの歓送迎会が戻り、売上げは121.0%となった。
   パブ•居酒屋業態の「パブ•居酒屋」は、中小規模の歓送迎会が戻り、早い時間帯ではコロナ前と同程度の集客もあり、売上げは 131.9%となった。しかし、店舗数自体の減少は引き続き変わらず、遅い時間帯や二次会の需要は依然として弱く、19年比では売上げ64.8%となっている。
   ディナーレストラン業態はインバウンド客の回復、各地で再開されるイベントの急増、国内客の増加などで、売上げは122.4%、19年比では 92.6%となった。喫茶業態はビジネス街での回復ペースはゆるやかだが、各地でイベントや伝統行事が再開されて人流が増え、売上げは124.3%となった。

   この件のお問い合わせはJF事務局松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。