2022.02.27(月)

<外食市場 1月の動向>
年末の流れを引き継ぎ年始需要は堅調も
原料高など厳しい経営環境が続く


    一般社団法人 日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査 2023年1月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。
   1月の全体概況は昨年のような営業制限が無く年始需要が好調で、外食全体の売上げは115.3%となった。コロナ第8波は上旬にピークを迎えたが、外食への影響は比較的少なく、19年比の売上げは104.2%と、コロナ前を上回った。だがこれまでのJF調査結果から推定すると、外食全体の客数は19年比で 90%程度にとどまっている。現在の売上げは原料高と光熱費の高騰等に起因する客単価上昇の結果と考えられ、外食企業の経営状況は変わらず厳しい。
   業態別概況では、ファーストフード業態の全体売上げは110.2%、19年対比では117.9%となった。洋風は期間限定商品、季節商品などのフェアメニューが好評で売上げ111.3%、19年対比では139.7%となった。和風は引き続きテイクアウト•デリバリーの堅調で売上げ109.6%。麺類は商業施設立地店舗の集客回復などで、売上げは117.4%となった。
   持ち帰り米飯/回転寿司は、回転寿司の年始のテイクアウトが好調で、また主力メニューの価格据え置きが奏功したところもあり、売上げ105.1%となった。その他はアイスクリームのキャンペーン商品のテイクアウトが好調で、売上げは105.6%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは前年比119.6%、19年比では96.3%となった。行動制限のない正月となったことで年始の家族客が増え、洋風は売上げは117.7%、和風は売上げは123.2%。中華はテイクアウト対応の強化により売上げが堅調に推移し118.2%。焼き肉は、郊外店舗が引き続き好調で、売上げ122.7%となった。
   パブ•居酒屋業態では、パブ•居酒屋は酒類の提供制限があった昨年との対比では売上げ159.0%だが、19年比では売上げ58.1% と、前月(12月)の19年比(58.6%)とほぼ変わらず、売上げの回復に頭打ち感が出ている。コロナを気にしない個人客の来店は増えたが、企業•団体等の宴会自粛の傾向は続いており、飲酒業態の復調を難しくしている。
   ディナーレストラン業態は、個人客の宴席は引き続き回復傾向にあり、全国旅行支援やインバウンドの増加で需要が回復した店舗も見られ、売上げは134.0%となったが、法人宴会や夜間の集客は戻らず、19年比では85.0%となった。喫茶業態は営業時間制限の無い今年の売上げは前年比119.6%となったが、オフィス街はテレワーク等の定着で客足が戻らず19年比では85.6%であった。

   この件のお問い合わせはJF事務局の松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。