2022.02.25(金) |
<外食市場1月の動向>
各地でまん延防止等重点措置の適用
再びの営業制限で店内飲食は失速
|
---|
一般社団法人日本フードサービス協会(JF=ジェフ 本部東京都港区、赤塚保正会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査令和4年1月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて、コロナ禍前の’19年同月比も算出し掲載している。
全体概況では、2022年1月の全体売上げは2021年1月比で112.2%となったが、これはあくまでも2回目の緊急事態宣言で売上げが大きく落ち込んだ2021年1月の前年同月比(79.0%)からやや回復したことを意味するに過ぎない。
昨年末のコロナ感染者数減を受けて年始は個人や家族客に回復の兆しが見られたが、新変異種「オミクロン株」の出現で再び感染者が急増した。1月9日以降は各地でまん延防止等重点措置が適用され、特に店内飲食中心のレストラン業態•飲酒業態が失速、全体売上げはコロナ禍前の19年比で88.5%となった。また、従業員家族などの感染もあり、店舗の人員確保にも影響が及んでいる。
ファーストフード業態の業態別概況では、FFの全体売上げは店外消費の下支えもあり、コロナ禍でも好調を維持し、2021年1月対比で106.2%、19年1月比でも106.7% となった。「洋風」はテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが変わらず堅調、新メニューも好調で売上げは105.9%(19年比124.1%)であった。
「和風」も新商品が引き続き好調で、売上げは105.8%(19年比100.0%)。「麺類」は前年の緊急事態宣言下で酒類が19時までに制限され、売上げを大きく下げた「らーめん」等の反動もあり2021年1月比104.5%となるも苦戦は変わらず、19年比では79.2%であった。
「持ち帰り米飯•回転寿司」は「回転寿司」のキャンペーンやデリバリーの拡充等が寄与し、売上げは106.9%、19年比でも99.9%となった。「その他」は「カレー」が昨年ほどの落ち込みは見られず、また「アイスクリーム」がテイクアウト販売に工夫するなどで好調を維持、売上げは111.0%となった(19年比97.2%)。
ファミリーレストラン業態では、FRの全体売上げは大きく下げた2021年1月(対20年1月比65.4%)からの戻りは鈍く、2021年1月比で120.1%となるも19年比では76.5%に留まった。「洋風」は年始の期間限定メニュー等のキャンペーンが好調だったが、その後失速して売上げは2021年比120.6%(19年比70.6%)であった。
「和風」も年初の家族宴会などの好調から一転、オミクロン株の感染拡大で失速し、緊急事態宣言が出た2021年1月対比で119.1%、19年比では70.9%。一方「中華」はテイクアウト等の下支えが引き続き堅調で、売上げ111.3%、19年比も98.3%となった。「焼き肉」は2021年1月ほどの休業店舗数には至らず、売上げ130.3%、19年比で90.2%となった。
パブ•居酒屋業態では、2022年1月は緊急事態宣言の影響を受けた昨年同月と比べると154.8%と一見大幅増に見えるが、コロナ禍前の19年対比では35.0%とコロナ以前への回復には程遠い。年初は新年会需要なども見られたが、その後は予約キャンセルが相次ぎ、まん延防止等重点措置の適用以降は休業する店舗もあった。業種別に見ると「パブ•ビアホール」の売上げは、昨年同月比182.6%(19年比38.1%)、「居酒屋」は昨年同月比145.6%(19年比33.9%)であった。
ディナーレストラン業態では、家族などのグループ需要はあるが、法人の新年会はほとんど見られず、売上げは激減した昨年同月の反動で136.7%になったが、19年比では65.2%と苦しい状況が続いている。喫茶業態は全国各地で実施されたまん延防止措置により、特に都市部や商業施設観光地で大きな影響を被り、売上げは昨年同月比119.9%(19年比71.7%)となった。
この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。