2021.06.25(金) |
<外食市場5月の動向> 緊急事態宣言、酒類提供自粛の影響 大きく、回復への出口は見えない(JF) |
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東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令されていた緊急事態宣言は5月も継続され、更に愛知、福岡なども追加となり、これら宣言地域では酒類提供店は休業を要請された。更に宣言地域とまん延防止措置対象地域が全国的に広がり、外食店舗の営業時間•酒類提供は継続して制限を受けている。全体概況では、5月の全体売上げは119.8%となっているが、1回目の緊急事態宣言下にあった昨年5月との対比にすぎず、一昨年比では80.2%と、回復への出口はまだ見えていない。
業態別概況ではファーストフード業態のFFは、コロナ前より好調な「洋風」に牽引されて、業態全体の売上げは113.3%(一昨年比では103.9%)。「洋風」は変わらずテイクアウト、デリバリーなどにより好調が続き、売上げは110.3%となった。
「和風」は一部でデザート類の販促などもあり客単価が上昇、売上げは112.1%となった。「麺類」はテイクアウト商品の開発もあり、売上げは141.9%となったが、ラーメン業態等では酒類提供の自粛が響き、一昨年の73.1%にとどまった。
「持ち帰り米飯•回転寿司」はテイクアウト需要に支えられ売上げは110.6%(一昨年比99.0%)。「その他」は「アイスクリーム」のテイクアウト商品が拡充され、売上げ110.7%(一昨年比86.8%)となった。
ファミリーレストラン業態のFRは、外出自粛などの影響が大きかった前年に比べると全体売上げは129.1%だが、宣言地域等で営業時間短縮が継続しコロナ禍前の一昨年の63.8%にとどまっている。「洋風」「和風」はテイクアウト•デリバリーが健闘し、「洋風」は126.6%、「和風」は145.8%だが、一昨年の6割程度で低迷している。
「中華」は売上げ112.9%(一昨年比84.9%)。「焼き肉」は郊外立地店に家族客が戻り、売上げは休業の多かった前年に比べ135.5%となったが、繁華街立地では休業店もあり、一昨年比では65.4%にとどまっている。
パブ•居酒屋業態は、酒類提供の制限や営業時間短縮の要請などで飲酒業態は壊滅的な状況が続いており、多くの店舗が休業を余儀なくされている。「居酒屋」は売上げ95.9%と、売上が激減した前年をさらに下回った。一方「パブ•ビアホール」は、ほとんど営業できていなかった前年に比べると売上げ197.9%だが、いずれもコロナ前の一昨年の1割程度に落ち込んでいる。
ディナーレストラン業態は、前年は休業店舗が多かったため売上げは168.1%となったものの酒類の提供自粛でディナー時間帯の集客が大きく下がり、売上げは低迷、コロナ禍前の一昨年比49.7%にとどまった。喫茶業態は商業施設の休業が多かった前年と比べると、売上げは199.3%となったが、引き続きビジネス街•百貨店立地の店舗が振るわず、一昨年比では64.1%となった。