2020.10.26(月) |
<外食市場9月の動向> コロナ新規感染者数は 下げ止まりで回復は限定的 |
---|
全体概況はコロナの新規感染が8月上旬をピークに減少傾向を見せはじめたことで、特に月後半の4連休(シルバーウイーク)には一部で売上げが前年並みまで回復、外食全体の売上げは前年同月比86.0%と前月より2ポイント増えた。
しかし、感染者数は“下げ止まり”で、企業の在宅勤務が続く中、特に繁華街•ビジネス街、ディナー時間帯、飲酒業態の営業は苦戦している。また、前年より休日数が1日少なく、西日本が台風の影響を受けたことも回復に水を差したといえる。
業態別概況ではファーストフード業態のFFは、引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風が牽引し、全体売上げは95.5%となった。 「洋風」はドライブスルーのテイクアウトやデリバリーの浸透などもあり、前月ほどではないものの好調な売上げで103.3%となった。
「和風」は高単価品やセットメニュー等を投入するも繁華街•ビジネス街での客足が戻らず、売上は92.8%。「麺類」は昨年の好調と比べると、回復が緩やかで売上げは84.6%。「持ち帰り米飯•回転寿司」は、回復基調はあるが雨天の外出自粛もあり売上げ94.0%。「その他」は「アイスクリーム」が昨年好調だったキャンペーンの反動もあり、8月と比べて6.7ポイント減の83.6%となった。
ファミリーレストラン業態のFRは、月後半にかけて客足が緩やかに回復し、全体売上げは80.3%となった。「洋風」「和風」「焼肉」は、4連休に前年並みまで回復するところもあり、売上げはそれぞれ75.7%、77.7%、91.7%と前月より上向いている。「中華」は引き続きテイクアウト•デリバリー需要の支えもあり、売上げは91.3%と前月並みとなった。
パブ•居酒屋業態では、飲酒業態は東京都による飲酒業態の営業時間短縮要請(15日まで)や、夜の時間帯の客足の停滞、ほぼ皆無の法人の大規模宴会などから、業態全体の売上げは51.1%、「パブ•ビアホール」は売上げ44.4%、「居酒屋」は52.8%と大幅回復への道のりは未だ遠い。
ディナーレストラン業態ではディナーレストランも、Go Toトラベルの旅行客など立地によって集客の差がみられるものの、宴会需要ではなく小規模の会食を中心に少しづつ回復し、売上げは71.3%となった。喫茶業態は依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売上げは72.5%となった。