お米に合わせたフレンチベースの創作料理を
洋食屋「KENzo」(ケンゾ)開店して1.5年
2014.03.21
洋食屋「ケンゾ」は、長野市若里の北市交差点からビックハット北信号に向かう途中(芹田公民館近く)にある。
ウリは「ご飯に合う創作欧風料理」。オープンして1年半が過ぎるが、漸く狙っているお客様が増えてきたようだ。
同店のオーナーシェフ剣持貴広氏は30歳。洋食歴11年、レストランワイナリー•サンクゼールで9年の経験を積んだ。30台から50代の女性をメインターゲットにしており、剣持氏によれば「ワンランク上のお客様のご来店を目指しています」という。
オーナーシェフの剣持貴広氏
店舗は43坪あり、厨房は約8坪(オール電化厨房)、客席は34坪あり、営業時間はランチが11時半から14時(LO)、ディナーは17時半から20時半(LO)で、閉店は21時半を過ぎる。剣持貴広氏の他にパート•アルバイトを入れた従業員が5名おり、ホールは奥さんの尚子さんが中心である。木曜日を定休日。剣持氏はその定休日を返上して働き、辛うじて損益分岐点を維持している。早く社員を入れて「仕込みをもっと充実したい」と願う剣持氏は、これから社員を募集する予定だ。
現在の昼の平均客単価は1,500円、夜の平均客単価が2,500円。来店客はランチが多い時で30人、少ない時で20人。夜は平均して10人の来店客がある。ここ1,2年どこも夜は苦戦を強いられているが、ロケーションから見ると健闘しているお店といえよう。しかし、である。売上げアップするには、ディナーのお客様を増やす以外にない。料理の創意工夫と値頃感の見定めとその追求を止まないことである。
さて、同店のメニューを紹介すると、季節によって変えるランチが5種類ある。ワンプレートで提供しており、各5種類にポタージュ、ミニ前菜、ライスが付いている。
チェダーチーズとタイムを巻いた信州福味鶏胸肉のカツレツ1,180円、信州SPF豚肩ロース肉の香味ソテー(シャリアピンソース)1,280円、網脂で包んだ信州黒毛和牛のハンバーグ(粒マスタードソース)1,380円、海老のカダイフ巻きサクサクフリット(スパイス風味のアメリケーヌソース)1,480円、京都産サワラのポワレ(アサリとドライトマトのソース)1,580円を揃えている。
剣持氏が看板メニューとして特にこだわっているのは、「網脂で包んだ信州黒毛和牛のハンバーグ(粒マスタードソース)」1,380円と「海老のカダイフ巻きサクサクフリット(スパイス風味のアメリケーヌソース)」1,480円の2種類だ。
「網脂で包んだ信州黒毛和牛のハンバーグ(粒マスタードソース)」
黒毛和牛のハンバーグは、生ハンバーグと粒マスタードソース、デミグラソース、それにドライポルチーニ、玉ねぎ等を使い作られている。また、海老のカダイフ巻きフリットは、海老をカダイフ巻きにし、オレンジ色のソースでまとまている。「何れにせよ、如何に女性に喜んで頂く料理に仕上げるか」を苦心していることが伺える。また、ご飯(飯綱町三水のコシヒカリ)に合う料理への心遣いも伝わって来る。
この他にもお子様プレート(サラダ、ポテト、エビフライ、ハンバーグ、ライス、ゼリー)580円、Tea Bar(12種類の紅茶をセルフスタイルで自由に飲める)+350円、コーヒーor紅茶若しくはサンペレグリノ+100円、ソフトドリンク+120円で愉しめる。
一方、ディナーメニューはワンプレートディナーで1人2,000円(前菜、スープ、お魚orお肉、デザート、この他にライスorフォカッチャorコーヒーor紅茶付き)〜、1人3,000円〜を揃え、それぞれ10名様まで予約で承っている。パーティプラン(お取り分けコース+飲み放題)は、4,000円(料理5品)、5,000円(料理7品+デザート)で15名以上の貸切でお願いしている。
ライスにもこだわっている(コシヒカリは飯綱町三水の農家から仕入れている)
ディナーメニューのメインでは、網脂で包んだ信州黒毛和牛のハンバーグ(粒マスタードソース)1,080円、海老のカダイフ巻きサクサクフリット(スパイス風味のアメリケーヌソース)1,180円、ハンガリー産鴨胸肉の香草パン焼き(バルサミコソース)1,380円、京都産サワラのポワレ(アサリとドライトマトのソース)1,480円、信州SPF豚肩ロース肉の白ワイン煮込み1,480円、特撰牛サーロインのステーキ(赤ワイン風味の和風おろしソース)1,980円がある。ライスは180円、自家製フォカッチャ180円、ワタリガニのクリームコロッケ1ヶ280円。オリジナルデザートは全て350円、お子様プレート580円だ。
前菜はミックスサラダ620円、軽く炙ったマグロの赤身をフランボワーズのヴィネグレットで620円、イベリコ豚のポルペッティ 地物野菜のピクルス添え720円、本日のカルパッチョ720円、ほうれん草のニョッキ 信州キノコとフランス産ポルチーニのクリームソース880円、カナダ産オマール海老のミ•キュイ サラダ仕立て1,890円、本日のポタージュ450円。
デザートは全て450円。ガトーショコラ•クリュとフランボワーズのムース、ココアのパンナコッタ オレンジのマリネをのせて、クレームブリュレとバニラアイス ベリーのソース、季節のフルーツのコンポート フローズンヨーグルト添えがあり、デザートとドリンクのセットは600円になっている。
ドリンクでは、アルコールは生ビール580円、ノンアルコールビール280円。ワインは白、赤、他にシードル、スパークリングワインを揃えている。カクテルはカシスなど7種類、ソフトドリンクはジンジャエールなど7種類ある。
トータルでの原材料比は38%に押さえているという。自分の手の届く範囲の料理とサービスを心掛けている剣持貴広氏。ランチの入り込みはほぼ予定通りだが、これからはディナー客を如何に呼び込むかである。初期投資は400万円だった。月商目標は250万円、まだ目標額に辿り着いていない。5年前のリーマンショック、3年前の東日本大震災、日本経済はどん底を彷徨い続けたが、漸く脱デフレが見えてきた。剣持さんら皆さんの若いパワーに今後を期待したい。