何個でも食べられる水餃子でランチ
坂城町の国道沿いにある『ギョーザ屋』

今から9年前にこの地にオープンした「ギョーザ屋」は、坂城町の国道沿い(日精樹脂工業(株)本社前近く)にある。長年追い求めていた「水餃子」を思わぬ所で発見した。

  それ以来何度も訪れている。昭和50年代に「台湾食べ物歩き」で知った台北の場末の飲食店で頂いた「水餃子」のあの味が今も忘れられない。大皿に100個ぐらいドカンと出してくる。1人で20個、30個食べても平気で、胃袋にストンと堕ちる感じの味わいであった。それがこのお店で体感出来たものだから、嬉しくて堪らない。

店舗外観.JPG坂城町の国道沿い

  さて、この「ギョーザ屋」さんを紹介すると、二階建ての店舗で一階のホールが20坪(4人掛け4卓、丸テーブル1卓、小上がり2卓)、厨房が約10坪、二階は20名の宴会が出来る。同店のウリは店名と同じ餃子、それに炒飯(チャーハン)、麺類のマーボータンメン、トマト入りタンメンという。
  感激を頂いた「水餃子」を語るには、同店の経営者に触れなければならない。山城有財(ようざい)、小百合ご夫妻は残留邦人で、ご主人の母堂は坂城町出身。中国•ハルビン市で生まれ、二人はハルビンで結婚した。小百合さん(45)は、23歳の頃に日本に来たと話してくれる。今は5人のお子さんに恵まれ、長女は東京に、残り4人の娘さんは時々お店を手伝ってくれる。
  それで納得した訳だが、胃袋に優しいこちらの餃子は、ハルビンの家庭の味であったのだ。昨今の飲食店の提供する餃子は、ボリューム感や凝りすぎ、そして合理性の追求が強く見られ、素直になれないことが多かった。


ネギと肉の餃子キャベツと肉の餃子にらの焼き餃子

同店で注文した水餃子は20個で1,000円。それのみの注文である。今回注文したのは、キャベツとネギ、生姜、豚肉の具が入った餃子だ。20個ぺろりと食べてしまった。餃子一個は生で32gある。餃子は水餃子と焼き餃子を提供しているが、具は前述したものとキャベツと豚肉、白菜と豚肉の3種類が選べる。これからのシーズンは白菜入りが人気となるようだ。

  餃子の生地は唐木田製粉の強力粉を使い、小百合さんが一個一個伸ばして作る。特にモチモチ感を出すように心掛けており、肉もジューシー感あるようにしている。小さい頃からお母さんに教えてられた餃子をそのまま提供してくれることが、感激や感動を呼ぶのだろう。
  同店のメニューを紹介すると、餃子•小龍包•チャーハン類は、焼き餃子10個500円(20個1,000円)、水餃子10個500円、にら餃子10個500円、えび餃子10個1,000円(20個2,000円)、小龍包10個700円、チャーハン450円、生餃子(持ち帰り)10個1,000円、20個2,000円となっている。
  この他に定食10種類、麺類5種類、おつまみ4種類、ドリンク類を揃えている。小百合さんはハルビンの食堂に勤めていたこともあり、定食や麺類にも定評がある。焼き餃子定食、水餃子定食、にら餃子定食各750円、えび餃子定食1,200円。麻婆なす定食650円、麻婆豆腐定食650円、えびチリ定食1,200円。トマトとたまご炒め定食750円、青椒肉絲定食800円、酢豚定食900円がある。 
   麺類はしょうゆラーメン600円、坦々メン800円、ワンタンメン800円、ワンタン600円、冷やし中華(夏季限定)800円。おつまみは豆腐サラダ500円、鳥唐揚げ500円、えび唐揚げ1,000円、キムチ300円。ドリンク類はビール(大瓶)600円、生ビール(中)550円、チューハイ350円、烏龍茶、オレンジジュース、コーラ各150円。メニュー構成は“定食屋さん”そのものだ。

小百合さん.JPG山城小百合さん

  家族に美味しいと言われ、そして自分も料理が好きだったのがお店の出店に繋がったという小百合さん。当然、家族の応援もある。ご主人も忙しい昼や夜は手伝ってくれる。娘さんが手伝ってくれるのも心強いようだ。
  営業時間は午前11時から午後8時。休みは第2と第4の水曜日。お客様は坂城町のサラリーマンを中心に、上田市、千曲市からも来てくれる。売上げは1日2万円〜3万円前後で、ここ1、2年は売上げを落としているという。しかし、である。この旨い「水餃子」をいつまでも出し続けて欲しいと切に願うのである。


担々麺.JPG担々麺

炒飯.JPG炒飯

店舗内観.JPG店内の様子