2023.08.06(日)

信州の林業会社が新たな挑戦。異業種
コラボで実現した焚き火をおしゃれに
楽しめる風防「KOMOREび」(柳沢林業)

   (株)柳沢林業は長野県松本市で林業を営む会社。森林整備をはじめ、特殊伐採、木材・木工品・薪の販売、木質空間プロデュース、農業、キャンプ場の運営など、山と自然にかかわるさまざまな事業を展開している。この度、2021年から手がける「松本市美鈴湖もりの国オートキャンプ場」の運営をきっかけに、機械設備メーカー「ツカダファイネス」と共同で、焚き火台・風防「KOMOREび」を開発した。
   信州発!異業種コラボのキャンプ用品。焚き火の「木漏れ日」に癒される-焚火台ライフハック『KOMOREび』。キャンプ場に通い続けた、いわばファンとのコラボレーションによって生まれた「KOMOREび」である。本ストーリーでは、私たちが今回の商品を開発することになった背景と商品に込める想いをお伝えする。

   これまでの林業の枠組みにとらわれない山と街と人をつなぐ新しい会社の形。柳沢林業は1964年創業。半世紀にわたって信州松本で地域林業を営んできた。「山と人とが生かし生かされる 豊かな暮らしを創造する」企業理念のもと、従来型の木材生産を行う林業に限らず、「山」の本質的な価値の理解を広め、その価値を高める林業のあり方を探っている。
『山と木と、人は生きていく。』
   人と自然の関係がともすると希薄化する現代に、地域林業者だからこそ発信できるライフスタイルがある。木を伐る•植えるだけが林業ではなく、山や森と創造的に関わることは広く「林業」と考えたい。そんな『山の恵みを生かしきる新林業会社』として、山と人とが調和する暮らしを目指し、山と街と人をつなぐことを目指している。
 
運営するキャンプ場の利用者からコラボレーションの提案
   2021年から新たに始めたのが 「松本市美鈴湖もりの国オートキャンプ場」の運営。アウトドアや外遊びを通じて自然や森林をもっと身近に感じてほしいという想いから、運営を始めた。森林空間づくりを得意とする林業会社だからこそ生まれた北アルプスを一望する絶景や、自ら伐り出した豊富な薪が強みだ。2023年からは、自然体験にも力を入れ、SUP体験を中心とする 「美鈴湖MORI TO SUP」も開始した。 


   このキャンプ場のリピーターであった(株)ツカダファイネスの塚田浩洋さんがコラボレーションを提案してくれたことがきっかけで、今回の商品開発は始まった。ツカダファイネスは、ものづくりの町•岡谷市の老舗機械設備メーカーだ。
   塚田さんは元来キャンプや焚き火が好きでキャンプ場のことも大変気に入っていた。そんな中で好きなキャンプ場に自社製品を置いてもらいたい想いが生まれ、自らキャンプギアを試作し、コラボ提案に訪れた。その行動力の高さにキャンプ場スタッフは驚き、熱意は本物と感じ、一緒に商品開発に乗り出すことになった。
        
林業×アウトドア×機械製造メーカー。業種の壁を超えたものづくり

   設計・製造はツカダファイネスFicxMoC事業部が担当し、デザイン・企画は柳沢林業が手がけた。いわゆる一次産業である林業と、二次産業の機械製造業が手を組みキャンプ用品を作るという珍しいコラボだ。面白いのは、両者の見えている「ものづくり」の視点が違うことでした。林業側では、キャンプ道具がいかに自然の情景に溶け込むかを意識する一方、メーカー側では、機械工場としての経験から製造工程をなるべく少なくすることを念頭に考えていた。
   そのため、柳沢林業の当初デザインは、森林を非常にきめ細かく描いたもので、製品として再現可能か否か未知の領域でした。メーカーの発想としては、一般的に複雑なデザインは極力避けるため、このデザインが出てきたことに驚いたと、後日塚田さんは振り返った。結果的に製造工程を知らない林業会社の一社員があえてデザイナーとして起用されたことで、普段はやらない複雑で斬新なデザインへの挑戦になった。全く別の業種が異文化を超えてお互いに歩み寄り、同じ信州の企業が協力して生まれた価値ある逸品だと自負している。

   風防のサイズはキャンプ場で貸し出している焚き火台、コールマンのファイアーディスクにぴったりフィットするように設計している。ファイアーディスクの円形美を損なわずにいかに風防機能を追加するか考えたときに、多角形のアイデアが浮かんだ。さらに使いやすさを考慮し、ヒンジを付けた折り畳み式に。自分だけの焚き火体験を求める方へ、ファイアーディスクを活かして、より快適な焚き火が行えるアイテムとしてお届けすることを目指している。

   各面には透かし彫りで、林業や自然の循環が感じられる絵柄を施している。焚き火に火を灯すと信州の四季を彩る多様な樹木と、木こりたちのイラストが炎で浮かび上がる。私たち山仕事をする者と森林との関わりを、自然に対する感謝の想いを込めて表現した。デザインは柳沢林業のデザイナー中畝健登が担当。通常の加工では難しい精密な表現を、ツカダファイネスの熟練オペレーターが試行錯誤しながらファイバーレーザー加工機で実現し、デザイナーの想いを再現した。
 
アウトドアシーンから地域を盛り上げ、信州の豊かな自然の魅力や
アウトドアの楽しさを伝えていきたい 

   半年間の試作•企画検討期間を経て、ついに「KOMOREび」が完成。機械メーカーとキャンプ場を運営する林業会社という異色のコラボレーションが実現した。今回の「KOMOREび」は株式会社ツカダファイネスとのコラボレーション第1弾として期待以上の成果だったと考えている。「KOMOREび」をご購入いただいたお客様からのお声をもとに、コラボレーション第2弾も進行中だ。
   この商品をきっかけに、あらためて信州松本の豊かな自然や森林、アウトドアの魅力に目を向けてもらえたら幸いだ。私たちは今後も、林業を営む者だからこそ伝えられるメッセージを様々な活動を通じて発信していく。
「KOMOREび」商品概要/販売方法
◆標準価格:1台19,780円(消費税•送料込み) 
◆販売数量: 数量限定
※本製品は予約販売となっている。
※価格は送料などの変動により、異なる場合があるのでご了承下さい。
 
▽▼ご購入•詳しくはこちらから▽▼
FicxMoC ECサイト https://ficxmoc.base.ec/items/72123977
※FicxMocはツカダファイネスの手掛けるアウトドアレーベル。
(株)ツカダファイネス http://www.tsukadaf.co.jp/index.html
FicxMoc オンラインショップ https://ficxmoc.base.ec/
(株)柳沢林業 https://yanagisawa-ringyo.jp/
美鈴湖もりの国オートキャンプ場 https://misuzuko.net/
美鈴湖MORI TO SUP https://mori-sup.net/
デザイン 中畝健登 https://www.instagram.com/kento_nakaune/
 
   ちなみに(株)柳沢林業( http://yanagisawa-ringyo.jp)は、本社を松本市岡田下岡田774-1に置く。電話番号は0263-87-5361、代表者名は原 薫氏、資本金は700万円。