2022.06.03(金

植物生まれのチーズ※1「Violife(ビオライフ)」“CO2排出量”
“土地占有面積”など 環境負荷を7割低減※2、代替食品の「生
産~廃棄」の環境への影響を数値化(JOYL<ジェイオイル)

   (株)J-オイルミルズ(東京都中央区、佐藤達也代表取締役社長)がアップフィールド社(オランダ)とともに展開する世界的プラントベースブランド「Violife(ビオライフ)」植物生まれのチーズ製品について、生産から廃棄までのライフサイクルにおけるLCA(環境影響評価※3)が実施された。
※1乳製品のチーズではない ※2スイス•環境コンサルティングQuantis社調べ ※3 LCA(Life Cycle Assessment):生産から廃棄までの製品ライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価する方法

   評価の結果、同社が日本国内で販売している「Violife」植物生まれのチーズ4製品は、生産から廃棄までのライフサイクルにおけるCO₂排出量が、日本国内で販売されている乳製品のチーズ※4の30%以下に、土地占有面積も25%以下に抑えられていることが判明した。主な理由はこの製品がココナッツオイルなどの植物を主原料としており、乳牛を生育する工程が不要であることに由来している。同社は2021年9月に「Violife」を関東地方で先行発売、2022年3月からは全国で販売している。


   評価は環境コンサルティングQuantis社(スイス)監修のもと、「Violife」4製品の国内におけるライフサイクルについて実施した。結果は以下の通りだ。
①気候変動への影響
   表1は「Violife」4製品と乳製品のチーズについて製品1kg当たりのCO2排出量を評価したものだ。「Violife」は2.2~2.8kgで、日本で一般的に販売されている乳製品のチーズよりも71~83%少ないことが明らかになった。

②土地占有面積
   表2は「Violife」4製品と日本で一般的に販売されている乳製品のチーズについて、製品1kg/1年間当たりに必要な土地面積を評価したもの。Violifeは1.5~1.7m2で乳製品のチーズよりも78~87%少ないことが明らかになった。

③生産から廃棄まで各工程のCO2排出量の比較
   グラフは「Violife」と乳製品のチーズについて、生産から廃棄まで工程別(左から農場/原料段階、包装、製造、流通、消費。右端は総排出量)にCO2排出量を評価したものだ。「Violife」は乳牛を生育する工程が不要であるため、農場/原料段階で環境負荷を大きく抑制することが明らかになった。

   この環境影響評価は、Liao et al(2020、学術記事)に記述された方法に従い、1kg当たりのViolife製品の環境への影響を、欧米各国及び日本国内で販売されている同容量の乳製品と比較した。データは製品設計、原料調達、生産工場、エネルギーミックス、パッケージデザイン、輸送、及び使用•廃棄までの各段階について、生産から廃棄までの工程で収集した。
   「Violife」植物生まれのチーズ4製品と乳製品のチーズの土地利用変化の排出量を比較したデータは、カーボンフットプリントの算定に関する仕様PAS 2050(英国規格協会、2012)に基づいて作成した。PAS 2050は、the International Dairy Federation(国際酪農連盟、2015)及びthe European Dairy Association(欧州乳牛協会、2016)が公開する最新の乳製品国際規格に準拠している。また、今回の環境影響評価はISO14040および14044規格を順守しており、LCA、農学乳製品生産などの分野に精通する3人の専門家が査読した。
   本評価結果は同社ウェブサイト(https://www.j-oil.com/consumer/pbf.html)にも掲載する。なお、本評価は乳製品のチーズと「Violife」植物生まれのチーズ4製品との比較結果であり、「Violife」植物生まれの“ビオバター”製品は含まない。
 
「Violife」植物生まれのチーズの紹介
   「Violife」植物生まれのチーズは、乳やナッツを使用せずココナッツオイルを使用しており、植物由来の成分を抽出した豊かな風味とコクをお楽しみいただける。「Violife」植物生まれのチーズ4製品は、乳製品のチーズよりもカロリーおよび脂質が10%低くなっている(同社調べ)。更にアレルギー物質(特定原材料等)28品目を不使用のため、ヴィーガン•ベジタリアンの皆様や乳アレルギーをお持ちの皆さま、健康志向の皆さまを含めて、多くの皆さまに高い評価を頂いている。
   「Violife」植物生まれのチーズの家庭用製品のラインナップは以下の通りだ。

左からViolife 植物生まれのとろけるスライス チェダータイプ140g(20g×7枚)、Violife 植物生まれのとろけるスライス モッツアレラタイプ140g(20g×7枚)、Violife 植物生まれのシュレッド チェダータイプ200g、Violife 植物生まれのクリーミィ150g、すべてオープン価格だ。
   同社は、おいしく食事を楽しみながら地球環境の負荷低減に貢献できる植物生まれのチーズ「Violife」ブランドをお届けすることで、生活者の皆さまに新たな食様式の豊かな食卓づくりを提案している。同社が重要課題と位置付ける「環境負荷の抑制」「食資源の維持」に一層貢献し、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成を目指している。