2023.05.02(火) |
MSCが持続可能な水産物の拡大に向けた計画を発表
南欧、北米、日本市場における力強い成長に支えられたラテンアメリカと
インドネシアにおける漁業の持続可能性への取り組み(MSCジャパン)
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MSC(海洋管理協議会)は4月26日、持続可能な水産物の拡大に向けた新しい計画を発表した。スペイン•バルセロナで開催された世界的な水産見本市シーフードエキスポの開催に合わせ、MSCは過剰漁獲を防ぐための取り組みについて話し合うイベント、シーフード•フューチャーズ•フォーラムを主催した。
MSCの最高責任者ルパート•ハウズは、認証規格の策定者である非営利団体のMSCは、世界を先導する持続可能な漁業のための規格をこれまで通り維持しながら、持続可能な漁業の普及に向け、市場機会を世界的にさらに拡大していく考えを示した。
この計画では、MSC認証取得漁業や持続可能な漁業を目指す漁業を支援するための調査や意見の発信にさらに注力することになる。「MSC認証漁業への移行プログラム(ITM)」をすべての漁業が利用できるようにすると同時に、漁業の改善のために必要となる資金を援助するために、海洋管理基金の規模を拡大する。
ルパート•ハウズは次のように述べている。「気候変動と過剰漁獲は、私たちの海と水産物の供給に対する脅威となっています。昨年は海洋生物多様性をはじめとする課題について、多くの国際協定において画期的な進展が見られました。それらが実行されれば、私たちが分かち合う海を守る助けとなります。MSCは政府、産業界、漁業者、科学者、自然保護活動家がこの機運を活用し、こうした公約を具体的な進展へとつなぐことを支えていきます」。
本イベントで国連食糧農業機関(FAO)の漁業養殖局長であるマルエル•バランジュ教授は、国連の「ブルー•トランスフォーメーション」戦略に沿って持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、海、河川、湖からの食料が重要であることを示した。
バランジュ教授は次のように述べた。「二酸化炭素排出量を削減し、陸上での食料生産への負荷を減らしながら、増加し続ける人口の食料を確保するためには、水産物が重要な役割を担うことが、各国政府間で広く受け入れられるようになってきています。しかし、それは持続可能な方法で生産された場合に限ります。水産物に関する新たな政策や投資、支援は、水産業が事業のあり方を変革する新たな機会を提供するものとなります」。
このイベントでは、MSCチーフ•プログラム•オフィサーのニコラ•ギシューが、持続可能な漁業と水産物市場に関する最近の動向と進展について説明した。2023年3月末時点で、世界の天然魚介類総漁獲量の19%がMSC認証取得漁業または認証審査中の漁業によるものであり、過去1年間で15の魚種を対象とした42の漁業が新たにMSC漁業認証を取得している。
マグロ•カツオ類とスケトウダラが引き続き主要な認証の魚種となっている。また、ラテンアメリカとインドネシアの漁業では大きな改善がみられた。例えば、エクアドルのマグロ漁業グループであるツナコンスは、5年間の漁業改善プロジェクト(FIP)を経て、2022年に初めてMSC漁業認証を取得した。
MSCラベル付き製品の販売額は2022年4月1日から9%増と増加を続けている。リドル、フィンドゥス、ボルトン、ウォルマートといった重要な企業による取り組みが強化された結果、南欧、北米、日本における持続可能な水産物の売上げは大きく伸びている。
ギシューは次のように述べた。「食料が地球に及ぼす影響に対する消費者意識の高まりは、小売業者の調達方針、そして海での漁獲方法にまで影響を与えています」。この変革を支援するためにMSCは、6月8日の「世界海洋デー」に関連した新しいテーマでのキャンペーンを今年と来年に開催する予定だ。健全で豊かな海を守るために、水産関連業界と消費者にキャンペーンへの参加を呼びかける。
シーフードエキスポで毎年開催されるMSC主催のイベント、シーフード•フューチャーズ•フォーラムには、水産関連業界全体から300名を超える関係者が参加した。シーフード•フューチャーズ•フォーラムの映像と全プレゼンテーションのPDFは以下からご覧いただける(英語)。
https://www.msc.org/seafood-futures-forum
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体だ。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動している。MSCジャパンは2007年に設立される。
MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売された。国内ではイオングループ、生協•コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できる。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたもの。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもある。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められる。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧下さい( https://www.msc.org/jp)。
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」だ。
MSCの最高責任者ルパート•ハウズは、認証規格の策定者である非営利団体のMSCは、世界を先導する持続可能な漁業のための規格をこれまで通り維持しながら、持続可能な漁業の普及に向け、市場機会を世界的にさらに拡大していく考えを示した。
この計画では、MSC認証取得漁業や持続可能な漁業を目指す漁業を支援するための調査や意見の発信にさらに注力することになる。「MSC認証漁業への移行プログラム(ITM)」をすべての漁業が利用できるようにすると同時に、漁業の改善のために必要となる資金を援助するために、海洋管理基金の規模を拡大する。
ルパート•ハウズは次のように述べている。「気候変動と過剰漁獲は、私たちの海と水産物の供給に対する脅威となっています。昨年は海洋生物多様性をはじめとする課題について、多くの国際協定において画期的な進展が見られました。それらが実行されれば、私たちが分かち合う海を守る助けとなります。MSCは政府、産業界、漁業者、科学者、自然保護活動家がこの機運を活用し、こうした公約を具体的な進展へとつなぐことを支えていきます」。
本イベントで国連食糧農業機関(FAO)の漁業養殖局長であるマルエル•バランジュ教授は、国連の「ブルー•トランスフォーメーション」戦略に沿って持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、海、河川、湖からの食料が重要であることを示した。
バランジュ教授は次のように述べた。「二酸化炭素排出量を削減し、陸上での食料生産への負荷を減らしながら、増加し続ける人口の食料を確保するためには、水産物が重要な役割を担うことが、各国政府間で広く受け入れられるようになってきています。しかし、それは持続可能な方法で生産された場合に限ります。水産物に関する新たな政策や投資、支援は、水産業が事業のあり方を変革する新たな機会を提供するものとなります」。
このイベントでは、MSCチーフ•プログラム•オフィサーのニコラ•ギシューが、持続可能な漁業と水産物市場に関する最近の動向と進展について説明した。2023年3月末時点で、世界の天然魚介類総漁獲量の19%がMSC認証取得漁業または認証審査中の漁業によるものであり、過去1年間で15の魚種を対象とした42の漁業が新たにMSC漁業認証を取得している。
マグロ•カツオ類とスケトウダラが引き続き主要な認証の魚種となっている。また、ラテンアメリカとインドネシアの漁業では大きな改善がみられた。例えば、エクアドルのマグロ漁業グループであるツナコンスは、5年間の漁業改善プロジェクト(FIP)を経て、2022年に初めてMSC漁業認証を取得した。
MSCラベル付き製品の販売額は2022年4月1日から9%増と増加を続けている。リドル、フィンドゥス、ボルトン、ウォルマートといった重要な企業による取り組みが強化された結果、南欧、北米、日本における持続可能な水産物の売上げは大きく伸びている。
ギシューは次のように述べた。「食料が地球に及ぼす影響に対する消費者意識の高まりは、小売業者の調達方針、そして海での漁獲方法にまで影響を与えています」。この変革を支援するためにMSCは、6月8日の「世界海洋デー」に関連した新しいテーマでのキャンペーンを今年と来年に開催する予定だ。健全で豊かな海を守るために、水産関連業界と消費者にキャンペーンへの参加を呼びかける。
シーフードエキスポで毎年開催されるMSC主催のイベント、シーフード•フューチャーズ•フォーラムには、水産関連業界全体から300名を超える関係者が参加した。シーフード•フューチャーズ•フォーラムの映像と全プレゼンテーションのPDFは以下からご覧いただける(英語)。
https://www.msc.org/seafood-futures-forum
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体だ。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動している。MSCジャパンは2007年に設立される。
MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売された。国内ではイオングループ、生協•コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できる。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたもの。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもある。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められる。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧下さい( https://www.msc.org/jp)。
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」だ。