2022.03.09(水)

農業•食品産業における地球温暖化問題の
解決に向けた農研機構と農林中央金庫が
連携協定を3月9日に締結

   農研機構は3月9日(水曜日)、農林中央金庫と連携協定を締結した。この協定は農業生産者などを主体とする温室効果ガス削減の取り組みを促進し、農業•食品産業における地球温暖化問題を解決することを目的とするものだ。
   国立研究開発法人 農業•食品産業技術総合研究機構(久間和生理事長)と農林中央金庫(奥 和登代表理事理事長)は、農業•食品産業における地球温暖化問題の解決を目的として、3月9日(水)に「連携協定」を締結した。今後、農研機構と農林中金は共に手を携え、農業生産者などによる温室効果ガス削減の取り組みを促進し、農業•食品産業における地球温暖化問題の解決に取り組んでいくとしている。
   その背景•概要は、パリ協定の目標実現に向けて日本政府が、「2050年の温室効果ガス実質ゼロ」そして「2030年の温室効果ガス46%削減(2013年比)、更には50%の高みを目指す」ことを宣言する中、農林中金においても2030年までに投融資先の温室効果ガス排出量を50%削減(2013年度比)することなどを目標に掲げている。
   とりわけ、農林水産分野における温室効果ガスの排出量は世界全体の4分の1を占めるともいわれており、国際的な気候変動イニシアティブ「SBTi(Science Based Targets Initiative)」(※)によるSBT認定を取得する民間企業•団体などからは、生産•加工•流通•消費の食農サプライチェーン全体における温室効果ガス削減に強い関心が寄せられている。
   他方、農業生産者などが温室効果ガスの削減技術や手法にアクセスする機会は未だ限られており、それらを取り入れることは容易ではない。また、温室効果ガス削減に取り組もうとする民間企業•団体も、農業現場における温室効果ガス削減を促すリソース•ノウハウが十分ではない。
   更にはそれらの課題が解決されたとしても、既存の温室効果ガスの算定手法は、削減努力を適切に反映させる仕組みとはなっていないため、削減技術や手法の効果測定•普及にあたってボトルネックとなる可能性がある。
   このような状況下、農研機構と農林中金は、温室効果ガスの算定手法に削減努力を適切に反映させる仕組みを創り上げることと同時に、温室効果ガスの削減技術の普及および持続可能なビジネスモデルへの移行を促し、農業•食品産業における地球温暖化問題を解決することを目的としてこの「連携協定」を締結することとした。
※SBTi(Science Based Targets initiative)。パリ協定の目標達成に向けた温室効果ガス削減シナリオと整合する科学的な目標の設定、実行を求める国際的な気候変動イニシアティブ。
   この連携目的は農研機構と農林中金が連携し、農業生産者などを主体とする温室効果ガス削減の取り組みを促進し、農業•食品産業における地球温暖化問題を解決することを目的としている。<連携協定の内容>
・温室効果ガスの削減努力が適切に反映された排出原単位の追加•設定及びその普及に関すること
・温室効果ガスの削減技術の普及に関すること
・J-クレジット制度の普及に関すること
・その他農研機構および農林中金が合意した事項
<連携協定締結日>
 2022年3月9日(水曜日)
【国立研究開発法人農業•食品産業技術総合研究機構概要】
組織名 : 国立研究開発法人 農業•食品産業技術総合研究機構
代表者 : 理事長 久間和生
設立 : 2001年4月(1863年に設立された農商務省農事試験場を前身とする)
所在地 : 〒305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番1号
URL : https://www.naro.go.jp/
【農林中央金庫概要】
組織名 : 農林中央金庫
代表者 : 代表理事理事長 奥 和登
設立 : 1923年12月
所在地 : 〒100-8420 東京都千代田区大手町一丁目2-1
URL : https://www.nochubank.or.jp/
 
   この件のお問い合わせ先は農研機構本部 NARO開発戦略センター (担当)鶴﨑一郎まで。