日本農芸化学会2015年度大会(26日~29日)
朝にトマトを摂ると機能性成分“リコピン”が
効率的に吸収されることを確認する(カゴメ)
カゴメ(株)(本社愛知県名古屋市、寺田直行社長)は、朝•昼•夜のうち、朝にトマトを摂った場合に機能性成分“リコピン”が最も効率的に吸収されることを、ラットを使った試験で明らかにした。
この研究の目的は、体内での栄養成分の消化吸収や代謝には1日のリズム(サーカディアンリズム)が存在し、栄養成分を摂る時間帯によってその吸収効率が異なることがわかって来た。同社ではトマトに含まれる抗酸化作用をもつ機能性成分“リコピン”に注目し、これまでに様々な健康機能を明らかにし、この研究ではトマトを摂取する時間帯とリコピンの体内への吸収効率の関係について調査した。
その方法と結果では、ラットを朝トマト群、昼トマト群、夜トマト群に分け、朝・昼・夜に1匹あたりに6gずつ、通常飼料もしくはトマト含有飼料(トマトの凍結乾燥粉末を10%含む飼料)を与えた(下図左)。この方法で4週間飼育し、最終日にラットの血中リコピン濃度の推移を調べ、そこからリコピン吸収量の指標として血中濃度曲線下面積(AUC)を算出した。
その結果、朝トマト群は昼トマト群及び夜トマト群と比べて、リコピンの吸収量が多いことが分かった(下図右)。
1_<各群における飼料摂取方法>
2_<リコピン吸収量の比較>
3_リコピンについて