一般社団法人日本フードサービス協会(略称ＪＦ＝ジェフ本部：東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2023年11月度の集計結果をまとめた。｢外食産業市場動向調査｣は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。
   11月の全体概況は、コロナ禍後の消費者の外食意欲が継続して回復しており、忘年会シーズンに向けて宴会需要が徐々に増加、加えてインバウンド需要も好調で、外食全体の売上げは前年比19年比ともに109％を上回った。特に人の集まる駅前立地など繁華街の店が好調だった。しかし引き続く物価高の中、消費者の節約志向も強まっており、一部では値下げをアピールする価格政策に戻って集客を図るところも見られた。
   業態別概況では、ファーストフード業態(FF)は好調が継続し、売上げ108.0％、19年比では売上121.5％となった。「洋風」は客数が前年を下回っているものの、期間限定メニューなどの好調と客単価の上昇で、売上げは堅調、105.2％となった。
   「和風」は引き続き定番の冬季メニューが好調で、売上げ114.0％となった。「麺類」も冬季限定メニューなどが好調で113.1％。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」が都市中心部の店舗の好調に支えられ、売上げ102.9％となった。「その他」はアイスクリーム、カレーともにキャンペーンメニューが好調で、売上げ114.5％となった。
   ファミリーレストラン業態(FR)は着実な回復が継続しており、売上げ112.3％、19年比では売上げ102.1％となった。「洋風」はサイドメニュー、アルコール類等を値下げしたところが集客好調で、売上げ112.1％。「和風」はインバウンドの予約や少人数の会食が増えて、売上げ111.7％。「中華」は値上げしても集客は変わらず好調で売上げ114.6％。「焼き肉」は都心部の店舗と食べ放題業態の好調などで、売上げは111.4％となった。
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、月前半の気温が高めに推移し、ビール販売が比較的好調であった。宴会需要が戻り始めており、法人の宴会も徐々に回復し「パブ•居酒屋」の売上げ111.4％、19年比で66.5％となった。一方、宴会の件数は増加しているものの、コロナ禍前のような大規模な宴会はまだ戻っていない。
   ディナーレストラン業態は紅葉シーズンの観光地や都市部の店はインバウンド需要もあり好調で、売上げ113.6％となった。一方で全国的に接客の人手不足が常態化しており、営業の機会損失に悩まされたところも少なくない。喫茶業態は、オフィスや観光地などで人流が回復し、売上げ113.9％となった。出社する社員の増加とともに駅前やビジネス立地の回復が見られた。

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