2022.08.16(水) |
茅野市内の旅館で
黄色ブドウ球菌による
食中毒が発生
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患者は8月7日に当該施設で調理し、提供された食事を喫食した3グループ9名中の3グループ6名で、松本保健所及び関係自治体が行った検査により患者便及び調理従事者便から黄色ブドウ球菌が検出された。なお患者は全員快方に向かっている。
本日、諏訪保健所は、茅野市北山の旅館「リゾート イン シェルブール」を食中毒の原因施設と断定し、当該施設の営業者に対し令和5年8月16日から令和5年8月18日まで、3日間の営業停止を命じた。患者所在地は神奈川県、埼玉県、東京都
この食中毒は令和5年8月8日の午前9時頃、医療機関から「同一の宿泊施設を利用した2グループ5名が胃腸炎症状を呈し当院を受診した」旨の連絡が諏訪保健所にあった。諏訪保健所による調査結果によると、患者(神奈川県、埼玉県、東京都在住)は8月7日に当該施設で調理し、提供された食事を喫食した3グループ9名中の3グループ6名で、8月7日午後10時30分頃から嘔吐、下痢、腹痛などの症状を呈していた。
患者は当該施設で調理し、提供された食事を共通して喫食していた。松本保健所及び関係自治体が行った検査により、患者便及び調理従事者便から黄色ブドウ球菌が検出された。患者の症状は、黄色ブドウ球菌による食中毒の症状と一致していた。患者を診察した医師から食中毒の届出があった。以上のことから、諏訪保健所は当該施設で調理し、提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
参考までに患者が喫食した主なメニューは、ローストポーク、里芋の煮物、かぼちゃの冷製スープ、大根の煮物くるみ味、噌がけ、肉団子、紅鱒フライ、コールスロー、山菜とわさび菜、ごはん等である。
長野県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和5年度4件55名(うち 長野市•松本市)(2件)(29名)、令和4年度12件167名(うち長野市•松本市)(1件)(1名)となっている。
[特徴]
黄色ブドウ球菌は、人をはじめとする種々の動物の皮膚や気道上部、腸管などの粘膜に生息しており、切り傷などを化膿させることがある。このような手荒れや化膿創のある手で直接調理することにより、食品を汚染することがある。
この菌の中には、食品中で増殖する際に毒素(エンテロトキシン)を産生するものがあり、この毒 素が産生された食品を食べることにより食中毒を引き起こす。この菌は通常の加熱で死滅するが産生された毒素は熱に強く、100°C20分の加熱でも失活しない。原因食品として、おにぎり、弁当、和菓子、シュークリームなどが重要視されている。
[症状]
潜伏時間は30分~6時間(平均3時間)と非常に短く、その症状は吐き気、嘔吐を主とし、下痢や弱い発熱を伴うことがある。症状は通常24時間以内に改善し、特別な治療は必要ないとされている。
[予防方法]
調理前、調理中は手指の洗浄消毒を十分に行い、調理の際は手袋、マスク等を着用しましょう。手指などに化膿創のある人は、素手で食品に触れないようにしましょう。食品を調理した後はなるべく早く食べるようにして、調理後の室温放置はやめましょう。調理後の食品を保存する場合は、冷蔵庫(10°C以下)で保存しましょう。特におにぎり等を握るときは、ラップなどを利用して食品に直接触れないようにしましょう。
この件のお問い合わせ諏訪保健所 食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (担当)峯村、福井、橋詰まで(電話0266-57-2929<直通> 0266-53-6000(代表)内線2250 FAX0266-57-2953 E-mail suwaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。