2022.04.25(火)

<外食市場3月の動向>
コロナ規制緩和の動きの中
宴会等需要回復も遅い時間の集客弱い

   一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF 東京都港区、近藤正樹会長)は、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2023年3月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて 2019年同月比も算出し掲載している。

   3月の全体概況は、13日よりマスク着用が個人の判断に委ねられ、コロナ規制の緩和への動きがよりいっそう明確になり、外食全体の売上げは118.8%、19年比でも101.5%となった。好調の要因は主に歓送迎会や春休みのシ ーズンで個人や家族客、中小宴会が増加したことだが、大規模宴会や夜遅い時間帯の集客はまだまだ弱い。5月8日にコロナが「5類」に引き下げられ、規制の無い社会•経済活動を取り戻せるように期待したい。
   業態別概況ではファーストフード業態の全体売上げは110.9%、19年対比では113.2%。「洋風」はコロナ全盛期ほどの伸び率ではないが引き続き堅調に推移し、売上げは108.6%。「和風」は消費意欲の高まりが売上げを押し上げ112.8%となった。
   「麺類」も値上がり基調が消費者に浸透し売上げ119.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、年度の変わり目の歓送迎やWBC観戦などでテイクアウト需要が増え、売上げ108.4%となった。「その他」は人流の回復とともに「アイスクリーム」が引き続き再来店を促すクーポンを配布するなどで客数が増加、売上げ115.2%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは前年比126.2%、19年比は93.3%となった。年明けからの堅調な流れとともに、コロナ規制の大幅緩和で春休みの家族客が増え、「洋風」は売上げ124.6%、「和風」は売上げ125.3%。「中華」は消費の回復促進を目指したキャンぺーンを展開するなどで、売上げ120.4%。「焼き肉」は春休み•卒業シーズンで団体客が戻り、売上げは139.7%と大幅に増加した。
   パブ•居酒屋業態の「パブ•居酒屋」は、酒類の提供制限という“足かせ”がはずれて以来、個人客やインバウンド需要の堅調が続き、送迎会シーズンの中小宴会が回復傾向で、売上げは189.4%に跳ね上がった。だがコロナ前のような大規模宴会は戻りが鈍く、二次会需要もほぼ見られず店舗数自体もコロナ前の70%弱にとどまっており、19年比では売上げ64.5%となっている。
   ディナーレストラン業態では、中規模の歓送迎会及びインバウンド客と個人客の増加が売上げと客単価を下支えし、売上げは136.2%となったが、大口の法人利用はまだ期待できず、19年比では売上げ89.1%となっている。喫茶業態はマスクの着用が個人判断に委ねられるなど、コロナの規制緩和が一段と進み、客足は回復傾向で売上げは127.5%となった。

   この件のお問い合わせはJF事務局松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。