2022.03.27(月)

<外食市場 2月の動向>
需要回復傾向も物価高騰により
厳しい経営状況が継続

 
  
一般社団法人日本フードサービス協会(JF本部:東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2023年2月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた全店データを業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。
   2月の外食全体概況は売上げが前年同月比123.5%、19年比でも103.8%となった。一つにはコロナ感染の収束傾向、気温の上昇、マスク緩和への動きなどによる人流の増加が大きな要因だがしかし、もう一つの要因は前月に引き続き原材料費、光熱費、物流費等の高騰により値上げせざるを得ない事情があったからだ。実質利益の観点からは、依然として厳しい経営状況が続いている。
   業態別概況ではファーストフード業態の全体売上げは110.2%、19年対比では116.3%となった。「洋風」は価格改定が相次ぐ中で、バリューキャンペーンが好評で売上げは105.4%となった。「和風」は朝食クーポンの配布などで固定客獲得に努め、売上げ112.4%。「麺類」は客単価上昇と客数回復で、売上げ129.6%と なった。
   「持ち帰り米飯/回転寿司」は、複数の回転寿司店をターゲットにした迷惑動画が一部店舗の客足に影響したが、値上げによる客単価の上昇で売上げは108.1%となった。「その他」は「アイスクリーム」の店内•持ち帰り双方の増量キャンペーンが好評で、売上は116.8%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比139.0%、19年比は95.1%となった。「洋風」は年明けからの堅調な流れが続き、また価格据え置きの施策やお得なクーポンアプリなどが若い家族客をはじめ価格敏感層に訴求し、売上げは140.2%となった。
   「和風」は気温上昇に伴い客数の増加が顕著で売上146.3%。「中華」は好調なテイクアウトに加え、メディア露出効果もあり売上は118.5%。「焼き肉」は団体客の戻りも見られ、先月から客足好調で、売上げは148.2%となった。
   パブ•居酒屋業態は昨年のような営業規制がとれ客足の戻りが回復基調で、売上げは283.9%と大幅に増加した。個人客やインバウンド需要の回復傾向に加え、企業等の大きめの宴会も少しずつ増えている。19年比では売上げ 64.5%と、前月(1月)の19年比58.1%より6ポイントほど上昇した。
   ディナーレストラン業態は大企業の大規模な宴会は戻らないものの、個人客に加え、国内旅行の団体客やインバウンド客などが少しずつ 戻り客単価が上昇、売上げは169.4%となった。ただ人手不足で需要に対応しきれないところもあり、19年比では88.9%となった。喫茶業態は月後半を中心に客足が伸びたものの、オフィス街や夜間の来客はまだ戻りが弱く、売上げは前年比140.3%、19年比89.2%となった。

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