2022.03.24(金)

安曇野市内の魚介類販売店で
アニサキス(寄生虫)による食中毒
発生

   本日、松本保健所は安曇野市内の魚介類販売店「北陸豊鮮」を食中毒の原因施設と断定し、当該施設に対し令和5年3月24日の1日間の営業停止を命じた。患者は3月19日に当該施設が調理、販売したイワシの刺身を喫食した1グループ2名中の1名(安曇野市在住)で、患者が受診した医療機関において、患者の胃内から寄生虫のアニサキスが摘出された。なお、患者は快方に向かっている。
   この食中毒は3月23日、医療機関から松本保健所に「3月21日に胃痛で当院を受診した患者の胃内から、アニサキスが摘出された」との通報があった。松本保健所による調査によると、患者は3月19日に当該施設が調理、販売したイワシの刺身を喫食した1グループ2名中の1名で、3月 20日午前3時頃から胃痛、悪寒、吐き気の症状を呈していた。
   医療機関による内視鏡検査で、患者の胃内からアニサキスが摘出されたこと、患者の症状はアニサキスによる食中毒の症状と一致していたこと、患者が発症日から過去3日間に遡って未冷凍又は未加熱の海産魚介類の生食をしたのは、当該施設が販売したイワシの刺身のみであったこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、松本保健所は当該施設が調理、販売したイワシの刺身を原因とする食中毒と断定した。
   参考までに長野県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和4年度12件167名(うち長野市•松本市)(1件)(1名)、令和3年度(うち長野市•松本市)5件(2件)264名(154名)となっている。
~~アニサキスによる食中毒~~
[特徴]
   アニサキスは海産魚介類や海産哺乳類に寄生する寄生虫。アニサキス食中毒の原因となるのはこの幼虫で、サバやイカなどの内臓や筋肉に寄生している。アニサキス幼虫を生きたまま摂取すると、胃壁や腸壁に侵入することがあり、アニサキス症をおこす。
[症状]
   潜伏期間は早いもので1時間、遅いもので36時間だが、約7割は8時間以内に発症する。症状は激しい胃痛、吐き気、嘔吐等だが、胃壁等に侵入している虫体を取り除けば回復する。
[主な原因食品]
   魚介類(サバ、アジ、イカ、サケ、タイ、スズキ、イワシ等)の刺身のほか、酢漬けや醤油漬けも 原因食品となる。
[予防方法]
・アニサキスは-20°Cで24時間以上の冷凍で死滅する。
・魚を調理する際は、明るい所で行い、寄生虫がついていないかよく確認しましょう。
・アニサキスは魚の内臓に寄生することが多いので、生食するときは内臓を除去しましょう。
・アニサキスは加熱に弱いので、魚介類は中心部までよく加熱しましょう。
・調理の際は細かく切る、よく噛んで食べるなどの方法も有効。
 
   この件のお問い合わせは松本保健所 食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (次長)小山勤 (課長)西村 孝 (担当)阿部理恵ま(電話0263-40-1942<直通>  0263-47-7800<代表>内線2151  FAX0263-47-9293  E-mail matsuho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。