2022.11.25(金

<外食市場10月の動向>
人流が戻り、店内飲食は回復も…
新たにインフレとの闘いという難問に直面


   一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF=ジェフ、本部東京都港区、近藤正樹会長)は協会 会員社を対象とした外食産業市場動向調査2022年10月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019 年同月比も算出し掲載している。
   全体概況は10月は11日より「全国旅行支援」や「水際対策の大幅緩和」が始まり、秋の訪れとともに全国で人の流れが活発化し、おおむね店舗数減少の中でも客数増となり、価格改定による客単価増とあいまって、全体売上げは114.8%となった。業態によって差異はあるが、全体では 19年対比で初めてコロナ以前を上回り105.5%になった。しかし新たにインフレとの闘いという難問に直面している。
   業態別概況のファーストフード業態はテイクアウト•デリバリーの堅調に加え、店内飲食も戻り、全体売上げは109.9%となった。「洋風」は秋の定番メニューと新商品の好調に宣伝効果もあり、売上げは110.8%。「和風」は朝食の販売促進とデリバリーの増加などで売上げは111.0%となった。
   「麺類」は季節限定メニューが好評で売上げ113.0%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は「持ち帰り米飯」でのサイドメニューの増加や価格改定による客単価上昇で売上げは105.1%。「その他」は「アイスクリーム」がハロウィンキャンペーンにより都心部のイートインが回復し、売上げは107.1%となった。
   ファミリーレストラン業態は店内飲食の回復に伴い、各地の営業制限が続いた前年との対比では120.3%になったが、19年対比では96.7%にとどまる。夜間の客数の戻りは鈍く、来店目的が明確な専門店ほど回復傾向が強い。
   「洋風」は主に昼間の客数が順調に回復し売上げ121.3%。「和風」はインバウンド需要に回復の兆しがあり売上げ120.6%。「中華」はテイクアウト・デリバリーが堅調で売上げ118.3%。「焼き肉」は価格維持の店舗がある中でも客数増により売上げ118.2%となった。
   パブ•居酒屋業態は営業制限のあった前年との対比では、店舗数94.4%、客数137.9%、客単価108.5%、売上げ149.7%となった(19年比では63.4%)。小人数の個人客中心に回復基調が続いているが、夜間の二次会需要や法人の宴会需 要等は戻りが非常に鈍い。
   ディナーレストラン業態は、コロナへの警戒感が薄れたせいか店内需要が戻りはじめ、売上げは124.8%となった。また観光地などの立地によっては訪日外国人客も戻りはじめ、19年比でも93.4%にまで回復してきたが、人手不足で営業時間を増やせない。
   喫茶業態は昼間の客数の回復を中心に、価格改定や季節限定の付加価値商品の導入などで客単価が上昇し、売上げは前年比119.0%。だが夕方以降の集客が芳しくなく、19年対比では90.0%にとどまる。

   この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。