2022.09.26(月

<外食市場8月の動向>
コロナ第7波のお盆休み
平日•夜間を中心に人出が減少

    一般社団法人日本フードサービス協会(JF本部:東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2022年8月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。

   8月の全体概況は、3年ぶりに営業制限や行動制限のない「お盆休み」となり、外食各業態の売上げは前年を上回り、全体売上げは118.0%となったが、19年対比では90.6%と7月の同98.5%と比べると回復力が弱い。コロナ第7波のピーク時で全国の新規感染者が約26万人という日もあり、平日と夜の客足は鈍化し、特に「パブ•居酒屋」では売上げが19年対比で44.2%にまで落ち込んだ。
   業態別概況では、ファーストフード業態はテイクアウト•デリバリーの定着で好調が続き、全体売上げは107.1%となった。「洋風」は、顧客利便性を考えた施策などが好調を維持し、売上げ103.8%。「和風」は新商品を次々と打ち出し、キャンペーンが好調で売上げ107.8%。「麺類」は持ち帰り商品のラインナップの増加などから売上げ121.2%となった。
   「持ち帰り米飯/回転寿司」は、弁当などのデリバリーやネット注文が好調に推移し、回転寿司もコロナ前ほどではないがお盆需要が比較的堅調で、売上げは106.7%となった。「その他」は「アイスクリーム」が、お盆期間中の地方の売上げが好調で売上げ108.0%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは131.5%となった。一部店舗ではお盆期間の帰省客や観光客で堅調な売上げとなったが、それ以外の期間や都心部などでは、売上げは概ね低調に推移した。特にこれまで戻りが弱かった夜間の集客は、平日を中心にさらに落ち込んだ。
   「洋風」は売上げ127.0%、「和風」は135.9%となったが、19年対比では「洋風」は76.2%、「和風」77.4%と回復までまだ遠い。「中華」は店内飲食、持ち帰りともに堅調を維持し、売上げ123.9%、19年比で99.0%となった。「焼き肉」も堅調に推移して売上げ150.8%、19年比で92.1%となった。
   パブ•居酒屋業態は、昨年はコロナ第5波のピークで酒類提供が制限されていたことから、「パブ•居酒屋」の売上げの対前年比は442.7%となっ た。だが新規感染者が拡大した7月後半以降は宴会のキャンセルが続出し、大口の宴会はほぼなくなり小口の宴会もキャンセルが相次いだ。
   19年対比では6月をピークに下降し、前月の53.3%からさらに下回り44.2%となった。一部店 舗では継続的な人手不足に加え、従業員の感染者や濃厚接触者が増加し、スタッフの確保が困難で営業に支障が出るなどの苦境が続いている。
   ディナーレストラン業態では売上前年比は153.9%ながら、コロナ第7波の中でお盆の集客は思ったほど伸びず、書き入れ時であるはずの8月にもかかわらず、宴会のキャンセル等で売上げは停滞、19年比は68.7%にとどまった。喫茶業態は営業時間制限がなく、新商品の発表や価格改定により客単価は上昇し、売上げは対前年比125.7%となるも、主にオフィス街において客足が伸びず、19年対比では76.1%にとどまった。

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