2022.06.22(水) |
大町保健所の飲食店で
カンピロバクターによる
食中毒発生
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本日、大町保健所は北安曇郡松川村の飲食店「居酒屋 楓 」を食中毒の原因施設と断定し、当該施設の営業者に対し令和4年6月22日から6月24日まで、3日間の営業停止を命じた。患者は6月 11日に当該施設で食事をした12グループ15名中の1グループ2名で、長野保健所が行った検査により患者便からカンピロバクターが検出された。なお患者は全員快方に向かっている。
この食中毒は6月17日の午前11時20分頃、医療機関から「6月11日の午後7時頃に当該施設を利用し、胃腸炎症状を呈している患者を診察した」旨の連絡があった。大町保健所による調査結果によると、患者は6月11日に当該施設で食事をした12グループ15名中の1グループ2名(北安曇郡在住)で、6月14日午後1時頃から発熱、下痢、腹痛等の症状を呈していた。
患者に共通する食事は当該施設が調理•提供した食品だけ、長野保健所が行った検査により患者便からカンピロバクター(カンピロバクター•ジェジュニ)が検出されたこと、患者の症状はカンピロバクターによる食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があった以上のことから、大町保健所は当該施設で調理し、提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
参考までに患者が喫食した主なメニューは、焼き鳥(ねぎま、もも、レバー、ササミ、ハラミ、ぼんじり、皮)、串揚げ、合鴨スモークとチーズ、刺身盛り合わせ等であった。長野県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和4年度3件15名(うち長野市•松本市)(0件) (0名)、令和3年度5件264名(うち長野市•松本市)(2件)(154名)となっている。
~~カンピロバクターによる食中毒~~
[特 徴]
カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在している。これらの家きん、家畜を、食肉として解体する際に処理された食肉の表面を汚染すると考えられている。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されており、文献等によると市販されている鶏肉の汚染率は20~100%と言われている。
熱や乾燥に弱く、常温の空気中でも徐々に死滅するが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴がある。食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌である。また野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染がある。
[症 状]
潜伏期間は1~7日(平均2~3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れる。
またカンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン•バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されており、重症化した場合には死亡することもある。特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので注意が必要だ。
[予防方法]
鶏肉などを調理する際は、十分に加熱調理し、生や加熱不十分な状態(鶏わさ、タタキ等)では食べないで下さい。また生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒して下さい。
焼肉などをするときは生焼けに注意するとともに、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて下さい。沢水や井戸水を使用している施設では、衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認して下さい。
この件のお問い合わせは大町保健所 食品•生活衛生課 (次長)和田徹 (課長)和田純子 (担当)大泉 裕子まで(電話0261-23-6528<直通> 0261-22-5111<代表>内線2350 FAX0261-23-2266
E-mail omachiho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。