2022.05.12(木) |
須坂市内の飲食店で
カンピロバクターによる
食中毒が発生
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本日、長野保健所は須坂市内の飲食店「やきとり けんぼう」を食中毒の原因施設と断定し、当該施設の営業者に対し令和4年5月12日から令和4年5月14日まで、3日間の営業停止を命じた。
患者は4月30日に当該施設で食事をした5グループ7名中の1グループ3名(長野市在住)で、長野市保健所が行った検査により、患者便からカンピロバクターが検出された。なお、患者は全員快方に向かっている。
この食中毒は、5月6日の午後4時30分頃、患者グループの関係者から「4月30日の午後8時頃に当該施設を利用した3名のうち3名が胃腸炎症状を呈している」旨の連絡があった。
長野保健所による調査によると、患者は4月30日に当該施設で食事をした5グループ7名中の1グループ3名で、5月2日午後7時頃から下痢、腹痛、発熱等の症状を呈していた。患者に共通する食事は当該施設が調理•提供した食品だけであったこと、長野市保健所が行った検査により患者便からカンピロバクターが検出されたこと、患者の症状はカンピロバクターによる食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があった以上のことから、長野保健所は当該施設で調理し、提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
参考までに患者が喫食した主なメニューは、鶏レバー、焼き鳥(ねぎま、鶏もも肉、かしら等)、焼き鳥丼、冷ややっこ、おにぎり、フライドポテト、厚あげ等である。
長野県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和4年度2件13名(うち 長野市•松本市)0件0名、令和3年度5件264名(うち長野市•松本市)2件154名となっている。
~~カンピロバクターによる食中毒~~
[特 徴]
カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在している。これらの家きん、家畜を食肉として解体する際に、処理された食肉の表面を汚染すると考えられている。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されており、文献等によると市販されている鶏肉の汚染率は20~100%と言われている。
熱や乾燥に弱く、常温の空気中でも徐々に死滅するが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴がある。食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌だ。また、野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染がある。
[症 状]
潜伏期間は1~7日(平均2~3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れる。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン•バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されており、重症化した場合には死亡することもある。特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので注意が必要だ。
[予防方法]
鶏肉などを調理する際は十分に加熱調理し、生や加熱不十分な状態(鶏わさ、タタキ等)では食べないで下さい。また、生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒して下さい。
焼肉などをするときは生焼けに注意するとともに、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて下さい。沢水や井戸水を使用している施設では衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認して下さい。
この件のお問い合わせは長野保健所 食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (次長)和田丈 (課長)小野 辰哉 (担当)小船順子まで(電話026-225-9065<直通> 026-223-2131<代表>内線151 FAX026-225-9105 E-mail nagaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。