2021.12.22(水

長野保健所管内の飲食店(上水内

郡内)でアニサキス(寄生虫)による

食中毒発生

   本日、長野保健所は上水内郡内の飲食店を食中毒の原因施設と断定し、この施設の営業者に対し令和3年12月22日の1日間の営業停止を命じた。患者は12月19日にこの施設で食事をした1グループ4名中の1名で、患者が受診した医療機関において、患者の胃内から寄生虫のアニサキスが摘出された。なお患者はすでに回復している。
   この食中毒は12月21日、医療機関から松本保健所に「本日、腹痛で医療機関を受診した患者(安曇野市在住)の胃内からアニサキスが摘出された。飲食店(弁当屋)で食べた海鮮丼が疑わしい」との通報があった。
   長野保健所による調査結果によると、患者は12月19日に当該施設で食事をした1グループ4名中の1名で、12月20日午前2時30分頃から腹痛等の症状を呈していた。医療機関による内視鏡検査で患者の胃内からアニサキスが摘出されたこと、患者の症状はアニサキスによる食中毒の症状と一致していたこと、患者が発症日から過去3日間に遡って海産魚介類の生食をしたのは当該施設のみであったこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、長野保健所はこの施設の食事を原因とする食中毒と断定した。
   参考までに患者へ提供された主なメニューは、海鮮丼(マグロ、サーモン、玉子、白身魚等魚介類)、魚の味噌汁、青豆と蒟蒻の和え物、野沢菜等)出会った。
   県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和3年度3件154名(うち長野市•松本市)(2件)(153名)、令和2年度(うち長野市)7件99名(4件)(6名)となっている。
 
~~アニサキスによる食中毒~~
[特徴]
   アニサキスは海産魚介類や海産哺乳類に寄生する寄生虫。アニサキス食中毒の原因となるのはこの幼虫で、サバやイカなどの内臓や筋肉に寄生している。アニサキス幼虫を生きたまま摂取すると、胃壁や腸壁に侵入することがあり、アニサキス症をおこす。
[症状]
   潜伏期間は早いもので1時間、遅いもので36時間だが、約7割は8時間以内に発症する。症状は激しい胃痛、吐き気、嘔吐等だが、胃壁等に侵入している虫体を取り除けば回復する。
[主な原因食品]
   魚介類(サバ、アジ、イカ、サケ、タイ、スズキ等)の刺身のほか、酢漬けや醤油漬けも原因食品 となる。
[予防方法]
・アニサキスは-20°Cで24時間以上の冷凍で死滅する。
・魚を調理する際は明るい所で行い、寄生虫がついていないかよく確認しましょう。
・アニサキスは魚の内臓に寄生することが多いので、生食するときは内臓を除去しましょう。
・アニサキスは加熱に弱いので、魚介類は中心部までよく加熱しましょう。
・調理の際は細かく切る、よく噛んで食べるなどの方法も有効です。
   この件のお問い合わせは長野保健所 食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (次長)遠山明 (課長)和田 由美 (担当)小船順子まで(電話026-225-9065<直通>  026-223-2131<代表>内線151  FAX026-225-9105  E-mail nagaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。