2021.05.25(火) |
<外食市場4月の動向> 壊滅的打撃から1年余4月 コロナ前への回復には程遠い現状 |
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当然ながら客足は鈍り、とくに飲酒業態は大打撃を被った。前年4月が動向調査史上最悪の落ち込みとなったため、今回の全体売上げは対前年同月比136.7%となったが、コロナ禍前の前々年対比では80.5%にとどまり、依然としてコロナ以前より遙かに厳しい状況が続いている。
業態別概況はファーストフード業態のFFは、業態全体の売上げは前年同月比117.6%であったが、一番好調なFF業態でさえ対前々年比は99.1%とコロナ以前には及ばない。「洋風」は引き続きテイクアウトが堅調、昨年は中止していた店内飲食を再開したところもあり、売上げは110.0%で先月に引き続き一昨年の売上をも上回った。
「和風」は、高付加価値志向の新メニューの提供により客単価が上昇、売上げは108.9%となったが、コロナ前の一昨年の91.5%にすぎない。「麺類」は持ち帰りメニューの拡充が貢献し、売上げ172.5%と一昨年の77.9%にまで回復した。
「持ち帰り米•回転寿司」は、持ち帰りが定着した「回転寿司」が回復傾向、売上げは121.9%と一昨年の94.3%まで戻した。「その他」は「カレー」が期間限定メニューの堅調で単価上昇が見られ、売上げ132.2%となったものの、コロナ禍前の90.5%にとどまっている。
ファミリーレストラン業態のFRは、昨年の第1回緊急事態宣言の時ほどの落ち込みはなく、売上げは175.4%となったが、度重なる営業制限の影響は大きく、コロナ禍前の69.0%にすぎず依然として厳しい。
「洋風」「和風」はテイクアウトが健闘し、「洋風」162.9%、「和風」199.8%となったが、いずれもコロナ前の60%台にとどまっている。「中華」も引き続き餃子等の持ち帰り需要が堅調で売上げ140.4%だが、一昨年の87.3%で回復はまだ先。「焼肉」も時短営業の中で奮闘し、売上げ254.9%と一見驚異的な伸びだが、一昨年の75.9%にすぎない。
パブ•居酒屋業態の飲酒業態も、事実上の活動停止状態となった昨年と比較すると、「パブ・ビアホール」の売上げは584.2%、「居酒屋」は274.2%と膨張しているが、度重なる酒類提供の制限(時間制限•提供禁止)のあおりを受け、休業店舗も多く、いずれもコロナ以前の20%台で低迷している。
ディナーレストラン業態は厳しい営業制限が続く中、一部では高単価の弁当のテイクアウト、リピーターによる単価の下支えなどで、売上げは昨年の296.4%だが、やはり酒類提供禁止の影響は大きく、下旬を中心に失速、コロナ禍前の46.4%にとどまった。
喫茶業態は昨年は商業施設立地の店舗が休業に追い込まれたため、その反動で今年の売上げは対前年比229.1%となったが、今年はビジネス街立地の店舗が苦戦し、売上げは一昨年68.2%までしか回復していない。