2020.12.25(金)

<外食市場11月の動向>

止まらぬ新型コロナ感染増で

回復傾向は失速(JF)


   11月の全体概況は新型コロナ新規感染者数の増加が著しく、とくに店内飲食が主体の業態では週を追うごとに客足が遠のき、下旬には政府•自治体の行動自粛要請や営業時間短縮要請により、10月に見えた回復傾向が失速。売上げが前年同月を上回ったのはFF洋風とFR焼き肉だけで、外食全体の売上げは前年同月比92.2%と再び回復への希望に水を差した。
   業態別概況ではファーストフード業態のFFは、洋風のテイクアウトとデリバリーが巣ごもり需要のニーズを掴み、全体売上げを100.9%に押し上げた。「洋風」はドライブスルー、テイクアウト、デリバリーのサービスがさらに充実し、キャンペーンやメディア露出とあいまって売上げは110.4%と好調を維持した。
  「和風」はテイクアウトもできる高単価の季節メニューが好調であったが、下旬には行動自粛要請等で客足が落ち、売上げは95.7%。「麺類」は郊外店がテイクアウト強化で健闘したものの、繁華街立地の店は下旬に苦戦し売上げ86.5%となった。
  「持ち帰り米飯•回転寿司」は、「持ち帰り米飯」で宅配代行サービスの導入拡大が奏功し、売上げは前年並みの99.8%。「その他」は「アイスクリーム」がファミリー向けテイクアウト商品の好調、クリスマスケーキの先行予約販売などで比較的堅調に推移した一方、「カレー」がコロナの影響で客数減となり、売上げは91.7%となった。
   ファミリーレストラン業態のFRは、コロナ新規感染者数の増加に伴い、週を追うごとに客足が落ちていき、全体売上げは89.6%となった。下旬の行動自粛要請や営業時間短縮要請が売上げにさらなる打撃を与え、「洋風」83.5%、「和風」87.8.%、「中華」96.3%となった。「焼き肉」は各種キャンペーン等により好調を維持した店が牽引し、売上げ109.4%となった。
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、引き続きコロナによる打撃は他業態よりも大きく、行政からの行動自粛や営業時間短縮の要請が売上不振に拍車をかけ、業態全体の売上げは57.2%、「パブ•ビアホール」は売上げ49.4%、「居酒屋」は58.8%となった。
   ディナーレストラン業態のディナーレストランも「コロナ第3波」の影響をもろに受け、特にビジネス街や繁華街の夜の時間帯の落ち込みは大きく、売上げは73.4%となった。喫茶業態はビジネス街立地では依然としてテレワークの影響があり、住宅街周辺や商業施設の店舗では、ある程度の回復が見えた矢先の11月後半の失速で、売上げは75.5%にとどまった。