2020.11.25(水) |
<外食市場10月の動向> コロナ新規感染者数の落ち着きとともに 見かけ上の売上は上向くも実質の分析が必要 |
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10月の全体概況はコロナの新規感染者数が比較的落ち着き、自粛緩和ムードも出始め、飲食消費回復への支援策等を背景に外食全体の売上げは、前年比94.3%となったが、全体平均を上回ったのは麺類を除くFF業態とFR業態の中華•焼肉だけだ。特にオンライン予約によるGoto支援策は事業者が予約サイトに支払う登録料および予約客一人当たり手数料などを差し引いた数値がでるまで、キャッシュフローが好転したか否かの判断は現段階ではできない。
業態別概況ではファーストフード業態のFFは、引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風が牽引し、店内飲食も回復していることから全体売上げは101.8%となった。
「洋風」はドライブスルーのテイクアウトやデリバリーが高水準で推移していることに加え、各種キャンペーンにより店内飲食も回復109.1%となった。「和風」は高単価の季節メニューや新商品等の好調もあり、売上げは101.4%だ。「麺類」は一部の商業施設立地の店は回復もあり、売上げ90.9%。「持ち帰り米飯•回転寿司」は売上げ95.9%。「その他」は「アイスクリーム」が大型商業施設での回復もあり、緩やかに回復し、売上げ95.3%となった。
ファミリーレストラン業態のFRは、コロナ新規感染者数の落ち着きにより客足が戻り始め、全体売上げは91.3%となった。売上げは「洋風」85.3%、「和風」90.1%、「焼き肉」108.7%となった。「中華」は引き続きテイクアウト•デリバリー需要の堅調に加え、店内飲食の回復もあり売上げ99.7%とほぼ前年並みとなった。
パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、繁華街立地の苦戦と法人の大規模宴会が戻らないことなどから他業態と比べて明らかに回復が立ち遅れ、業態全体の売上げは63.7%、「パブ•ビアホール」は売上げ53.6%、「居酒屋」は66.2%となった。
ディナーレストラン業態のディナーレストランは、地方や観光地立地の店舗で一部回復がみられたが、繁華街立地や法人需要が多かった店は依然として厳しく、売上げは79.6%となった。喫茶業態は人出が増えたことで、ターミナル駅周辺や商業施設で活気は戻ったが、依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売上げは79.0%にとどまった。
(JF•2020年10月市場動向調査•令和2年11月25日発表)