８月の全体概要は、前月から再び拡大し始めたコロナ感染によって、月前半を中心に客足が振るわず、外食全体の売上げは７月の結果には及ばず84.0％と回復傾向は頭打ちとなった。東京都など自治体が飲酒業態に営業時間短縮を要請したこと、お盆の帰省を自粛する人が多かったこと小中学校の夏休み期間が短縮されたことなどがマイナス要因となった。
   業態別概況では、ファーストフード業態のFFは業種間で回復に差があったが、テイクアウト•デリバリー需要が好調な洋風に支えられる形で、全体売上げは96.6％と、前月(96.4％)とほぼ変わらない。「洋風」はキャンペーンなどの好調に加え、コロナ感染の再拡大による巣ごもり需要が続き、ドライブスルー等でのテイクアウト•デリバリーが好調で、売上げは108.2％となった。
  「和風」は都心部での需要の回復が遅れ、売上げは92.0％。「麺類」は引き続き商業施設立地店の回復が遅く、売上げは80.8％。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、店内飲食の戻りが停滞し、猛暑でシニア層の客足が鈍るなどで、売上げは前月の94.7％から91.8％へ。「その他」は「アイスクリーム」が猛暑で善戦し、売上げは90.3％と少し回復の傾向がみられた。
   ファミリーレストラン業態では、FRは月前半を中心に客足が弱く、全体売上げは前月(77.4％)に及ばず75.1％となった。「洋風」「和風」「焼肉」は、コロナ感染の再拡大で例年のお盆や夏休みの需要が激減したことから、売上はそれぞれ70.9％、70.8％、85.6％と回復にブレーキがかかった。一方、「中華」はテイクアウト•デリバリー需要の支えもあり、売上げは89.7％と前月並みの前年比となった。
   パブ•居酒屋業態では、飲酒業態は月後半にやや回復傾向がみられたものの、前月からのコロナ感染再拡大の中、飲酒業態への営業時間短縮要請などにより、月前半は多くの店で客足が激減、７月には前年同月の５割近くまで回復していた業態全体売上げが41.0％に落ち、「パブ•ビアホール」は売上げ36.4％、「居酒屋」は42.3％と、壊滅的な状況が続いている。
   ディナーレストラン業態では、ディナーレストランもテイクアウト需要の掘り起こしなどで回復傾向のところもあったが、パブ•居酒屋と同様に月前半を中心に客足が振るわず、売上げは65.1％と足踏み状態であった。喫茶業態はビジネス街立地での不振が続き、顕著な回復はみられず、売上げは67.8％となった。