2020.07.28(火)

諏訪市内の飲食店で

カンピロバクターによる

食中毒が発生

   本日、諏訪保健所は諏訪市内の飲食店「すみかまど諏訪店」を食中毒の原因施設と断定し、この施設の営業者に対し令和2年7月28日から7月30日まで、3 日間の営業停止を命じた。患者(諏訪市、茅野市、諏訪郡在住)は7月17日にこの施設で食事をした8グループ30名中、4グループ9名で、松本保健所が行った検査により、患者便及び調理従事者便からカンピロバク ターが検出された。なお、患者は全員快方に向かっている。
   この食中毒事件は2年7月22日の午前11時50分頃、医療機関から「胃腸炎症状の患者からカンピロバクターが検出された。他にも胃腸炎症状の患者が受診しており、共通の飲食店を利用している」旨の連絡があった。
   諏訪保健所による調査結果によると、患者らは7月17日にこの施設で食事をした8グループ30 名中、4グループ9名で、7月19日の午後6時頃から下痢、腹痛、発熱等の症状を呈していた。患者はこの施設が調理した食事を共通して喫食していたこと、松本保健所が行った検査により患者便及び調理従事者便からカンピロバクターが検出されたこと、患者の症状はカンピロバクターによる食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、諏訪保健所はこの施設で調理された食事を原因とする食中毒と断定した。
   参考までに患者へ提供された主なメニューは焼き鳥(レバー、ネギマ、ハツ等)、ピザ、牛タン焼き等であった。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和2年度2件11名(うち長野市)(0件)(0名)、令和元年度16件811名(うち長野市)(2件)(3名)となっている。
 
~~カンピロバクターによる食中毒~~
   カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在している。これらの家きん、家畜を食肉として解体する際に、処理された食肉の表面を汚染すると考えられている。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されており、文献等によると市販されている鶏肉の汚染率は20~100%と言われている。
   熱や乾燥に弱く常温の空気中でも徐々に死滅するが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴がある。食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌である。また野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染もある。
[症 状]
   潜伏期間は1~7日(平均2~3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れる。
またカンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン•バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されており、重症化した場合には死亡することもある。特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので注意が必要だ。
[予防方法]
   鶏肉などを調理する際は十分に加熱調理し、生や加熱不十分な状態(鶏わさ、タタキ等)では食べない。また生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒してください。焼肉などをするときは、生焼けに注意するとともに生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて下さい。
沢水や井戸水を使用している施設では、衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認して下さい。
 
   この件のお問い合わせは諏訪保健所食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (次長)森山秀一郎 (課長)松澤淑美 (担当)矢島康宏まで(電話0266-57-2929<直通>  0266-53-6000<内線2250)>  FAX
0266-57-2953  E-mail suwaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。