2020.05.02(土)

<外食市場3月の動向>

新型コロナウイルスの影響が直撃

売上げは前年を大幅に下回る


   3月の全体概況は、外食産業も新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響を大きく受けることになった。2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋•DRなど飲酒業態を中心に、FR、大型商業施設のフードコートなどの売上げに大きな打撃となった。特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売上げは82.7%と東日本大震災の減少幅(前年比89.7%)を上回る減少となった。
   業態別概況ではファーストフード業態は FFは引き続き、テイクアウト、宅配、ドライブスルーなど「持ち帰り」
  「洋風」「和風」「その他」は店内飲食の減少を持ち帰りが下支えし、それぞれ売上げ99.1%、92.8%、90.7%。「麺類」は商業施設立地の落ち込みが大きく、売上げ81.4%。「持ち帰り米飯•回転寿司」は、弁当•惣菜、回転ずしのテイクアウト等の持ち帰り部分の下支えがあったものの「回転寿司」の店内落ち込みが大きく、売上げ88.3%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは78.8%と前年を大幅に下回った。「洋風」と「和風」は、月後半にかけて客数が一段と下がり、売上げはそれぞれ75.0%、69.6%。「中華」は餃子などのテイクアウト•デリバリーが下支えとなり、売上げは90.4%。これまで好調を続けてきた「焼き肉」もついに前年を下回り、売上げは93.3%となった。
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、本来は送迎会シーズンの宴会需要が大きい筈だが、今年はキャンセルが相次いだ。郊外立地や地域密着店などでは、当初比較的下げ幅が小さい店も一部あったが、2月最終週の政府の自粛要請のよる落ち込みと、3月下旬の東京都の「週末の外出自粛」要請による2段階の落ち込みで、軒並み売上げは下がり、「パブ•ビアホール」は前年の半分にとどかず、売上げ46.5%、「居酒屋」は売上げ58.6%となった。
   ディナーレストラン業態のディナーレストランは、繁華街立地の店の一部では集客がほぼ無い日があるなど、休業や時間短縮を余儀なくされる店も増えて、売上げは59.5%となった。喫茶業態は新型コロナの影響で、商業施設立地店の落ち込みが大きかったうえ、路面店でも客足が落ち売上げは75.3%となった。