2019.08.29(木) |
下高井郡内の旅館で カンピロバクターによる 食中毒が発生 |
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本日、北信保健所は下高井郡内の旅館「(有)サンシャイン志賀」を食中毒の原因施設と断定し、この施設の調理部門に対し8月29日から8月31日まで、3日間の営業停止を命じた。患者は8月13日から8月18日にかけてこの旅館に宿泊した1グループ77名中の51名で、長野保健所、松本保健所等が行った検査により、患者便及び調理従事者便からカンピロバクター(カンピロバクター・ジェジュニ)が検出された。なお、患者は全員快方に向かっている。
この食中毒は8月20日、上田保健所から「医療機関から8月13日から18日にかけて当該施設を利用し、体調不良を呈した患者を診察した旨の連絡があり、患者に確認したところ他にも30名程度が体調不良を訴えている」旨の連絡があった。
北信保健所による調査結果によると、患者ら(松本市、長野市、上田市他在住)は8月13日から8月18日にかけてこの旅館に宿泊した1グループ77名中の51名で、8月16日午前6時30分頃から下痢、発熱、腹痛などの症状を呈していた。
患者らはこの施設で調理された食事を共通して喫食していたこと、長野保健所、松本保健所等が行った検査により患者便及び調理従事者便からカンピロバクターが検出されたこと、患者の症状はカンピロバクターによる食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、北信保健所はこの施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
参考までに患者へ提供された主なメニューは、すき焼き、赤魚のホイル焼き、ユウガオとレンコンの煮物、キャベツ、鶏モモ肉焼き、焼きそば、豚カツ、鶏唐揚げ、鶏手羽元揚げ、キュウリ、トマト等であった。
長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況は、令和元年度(うち長野市)6件(1件)293名(2名)、
平成30年度(うち長野市)17件(6件)194名(51名)となっている。
~~カンピロバクターによる食中毒~~
[特徴]
カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在している。これらの家きん、家畜を食肉として解体する際に、処理された食肉の表面を汚染すると考えられている。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されている。
熱や乾燥に弱く、常温の空気中でも徐々に死滅するが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴がある。食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌だ。また、野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染もある。
[症状]
潜伏期間は1~7日(平均2~3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れる。
またカンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン•バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されている。特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので注意が必要だ。
[予防方法]
鶏肉などを調理する際は、十分に加熱調理し、生では食べない。また、生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒する。
焼肉などをするときは、生焼けに注意するとともに生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分ける。沢水や井戸水を使用している施設では、衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認する。
この件のお問い合わせは北信保健所 食品•生活衛生課 (次長)遠山明 (課長)吉田則康 (担当)古屋 智大まで(電話0269-62-3106<直通> 0269-62-3105<内線119> FAX0269-62-6036 E-mail hokuho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。