2017.09.01(金) |
佐久市の飲食店で |
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9月1日、佐久保健所は佐久市内の飲食店「焼肉 幸」を食中毒の原因施設と断定し、この施設に対し9月1日から9月3日までの3日間の営業停止を命じた。
患者らは8月19日から8月21日にかけてこの施設で食事をした4グループ16名中の4グループ4名で、環境保全研究所及び関連自治体が行った検査により、患者便から腸管出血性大腸菌O157 が検出された。患者の所在地は佐久市、南佐久郡、神奈川県。
この食中毒事件は8月29日から8月31日にかけて、県内保健所及び関連自治体に医療機関から4件の腸管出血性大腸菌感染症発生届があり、患者へ聞き取りを行ったところ、同施設の食事を共通して喫食していることが判明した。
佐久保健所による調査結果によると、患者らは8月19日から8月21日にかけてこの施設で食事をした4グループ16名中の4グループ4名で、8月21日午後4時30分頃から下痢(血便)、腹痛、発熱などの症状を呈していた。
患者はこの施設で提供された食事を共通して喫食していたこと、環境保全研究所及び関連自治体が行った検査により患者便から腸管出血性大腸菌O157が検出されたこと、また遺伝子のパターンも一致したこと、患者の症状は腸管出血性大腸菌による食中毒の症状と一致していたこと、医師から食中毒の届出があったことから、佐久保健所はこの施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
参考までに患者へ提供された主なメニューは、焼肉(カルビ、ハラミ、牛タン、ロース、ミノ)、生野菜、ごはんなどだ。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成29年 度(うち長野市)7件(4件)148名(94名)、平成28年度(うち長野市)15件(5件)162名(24名)となっている。
~~ 腸管出血性大腸菌による食中毒とは ~~
腸管出血性大腸菌の特徴は、主に牛や羊など反芻動物の腸管内に生息している。食肉の生食あるいは加熱不 十分で提供されたひき肉料理などが、原因食品となるケースが多くある。また、牛の糞便に汚染された川や湖で感染することやふれあい牧場などで動物から直接ヒトへ感染することもある。熱に弱く、75°C、1分間の加熱で死滅するが、感染力が強く、50個程度の菌量で食中毒を起こすことがある。
症状等の潜伏期間は、2~7日(平均3~5日)と長く、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れるが、重症化すると、激しい腹痛と血便を主症状とする出血性大腸炎を発症し、まれに溶血性貧血や溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発する。幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので特に注意が必要である。
予防方法は、①トイレの後、調理の前、調理中、食事の前は石けんでよく手を洗う。②腸管出血性大腸菌に対して感受性の高い幼児や高齢者には、食肉の生食など感染源となる可能性が高い 食材は避ける。③焼肉などの場合は、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて肉の中心部まで十分に加熱してから食べる。 生肉を扱ったまな板、包丁などは菌が付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒する。
この件のお問い合わせは佐久保健所 食品•生活衛生課 (次長)河西光章 (課長)黒岩和雄 (担当)和田由美まで(電話0267-63-3297<直通> 0267-63-3111<内線511> FAX0267-63-3221 E-mail sakuho-shokusei@pref.nagano.lg.jp )。