2014.10.28(火)
茅野市の飲食店で
腸管出血性大腸菌による
食中毒が発生!

 諏訪保健所は28日、茅野市内の飲食店「ステーキハウス カナディアンロッキー諏訪インター店」(ナガサキ商事(株)、茅野市中沖2178-1)を食中毒の原因施設と断定し、この施設に対し10月28日から10月30日まで、3日間の営業停止を命じた。
 患者は10月12日から10月18日にかけてこの施設を利用した4グループ15名中の4グループ5名(岡谷市、茅野市在住)で、松本保健所等が行った検査により患者便及び食品から腸管出血性大腸菌O- 157が検出された。 なお患者は全員快方に向かっている。
 この食中毒事件の探知は、10月24日に岡谷市内及び茅野市内の医療機関から腸管出血性大腸菌O157の患者2名の発生の届出があった。諏訪保健所による調査結果によると、患者は10月12日から10月18日にかけてこの施設を利用した4グループ15名中の4グループ5名で、10月14日午後4時頃から腹痛、下痢、血便などの症状を呈していた。
 患者はこの施設が提供した食事(加熱不十分なステーキ(成型肉使用))を共通して食べていた。松本保健所等が行った検査により、患者便及び食品から腸管出血性大腸菌が検出され、患者の症状は、腸管出血性大腸菌による食中毒の症状と一致していた。また患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、諏訪保健所はこの施設の食事を原因とする食中毒と断定した。
 参考までに患者らへ提供されたメニューはステーキ(成型肉使用)、サラダ、ご飯、飲料等であった。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は平成26年度 (うち長野市)13件(1件)1,309名(速報値) (8名)、平成25年度 (うち長野市)20件(3件)541名(33名)となっている。

—腸管出血性大腸菌による食中毒—
[特 徴]
 腸管出血性大腸菌は、主に牛や羊など反芻動物の腸管内に生息している。食肉の生食あるいは加熱不十分で提供されたひき肉料理などが、原因食品となるケースが多くある。また牛の糞便に汚染された川や湖で感染することやふれあい牧場などで動物から直接ヒトへ感染することもある。熱に弱く、75°C、1分間の加熱で死滅するが、感染力が強く、50個程度の菌量で食中毒を起こすことがある。
[症 状]
 潜伏期間は2〜7日(平均3〜5日)と長く、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れるが、重症化すると、激しい腹痛と血便を主症状とする出血性大腸炎を発症し、まれに溶血性貧血や溶血性尿毒症症候群 (HUS)などを併発する。幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので特に注意が必要。
[予防方法]
 トイレの後、調理の前、調理中、食事の前は、石けんでよく手を洗う。腸管出血性大腸菌に対して感受性の高い幼児や高齢者には、食肉の生食など感染源となる可能性が高い食材は避ける。また、焼肉などの場合は、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて、肉の中心部まで十分に加熱してから食べる。
 生肉を扱ったまな板、包丁などは菌が付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒する。

 この件の問い合わせ先は諏訪保健所 食品•生活衛生課 食品衛生係(次長)守屋正造 (課長)小木曽 悦人 (担当)小野充志まで(電話0266-57-2929〈直通〉0266-53-6000(内線2250) FAX0266-57-2953)。


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