2014.07.16(水)
北佐久郡の飲食店で
カンピロバクターによる
食中毒が発生に!

 7月15日、佐久保健所は北佐久郡内の飲食店「鳥くり」を食中毒の原因施設と断定し、この施設に対し、7月15日から7月18日までの4日間の営業停止を命じた。患者は7月5日及び6日にこの施設で食事をした3グループ18名中の3グループ16名で、上田保健所が行った検査により、患者便からカンピロバクターが検出された。なお、患者は全員快方に向かっている。 この食中毒は7月10日、佐久保健所に当該施設から「7月5日に店を利用した1グループ5名中5名 が下痢、腹痛の食中毒様症状を呈し、1名が医療機関を受診した」旨の連絡があった。佐久保健所による調査結果によると、患者は7月5日及び6日にこの施設で食事をした3グループ18名中の3グループ16名(佐久市、小諸市、北佐久郡の患者)で、7月7日午前3時頃から下痢、腹痛、発熱等の症状を呈していた。 また、患者はこの施設で調理された加熱不足の食事を共通して喫食していたこと、上田保健所が行った検査により患者便からカンピロバクターが検出されたこと、患者の症状はカンピロバクターによる食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったこと等から、佐久保健所はこの施設で調理された食事を原因とする食中毒と断定した。 佐久保健所は原因食品を7月5日及び6日に当該施設で提供された加熱不足の食事、病因物質はカンピロバクター•ジェジュニと断定し、原因施設「鳥くり」(北佐久郡軽井沢町長倉3024)に対し、7月15日から7月18日まで4日間の営業停止処分とした。 患者らへ提供された主なメニューは、焼鳥(ねぎま、レバー、ハツ、砂肝等)、鶏ユッケ、鶏レバ刺し、めかぶそば、とりそぼろご飯、飲料等であった。 参考までにカンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在している。これらの家きん、家畜を食肉として解体する際に、処理された食肉の表面を汚染すると考えられている。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されている。 熱や乾燥に弱く、常温の空気中でも徐々に死滅するが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴がある。食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌である。 また野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染がある。 症状は潜伏期間が1日〜7日(平均2〜3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れる。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン•バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されている。特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので注意が必要だ。 予防方法は、鶏肉などを調理する際には十分に加熱調理し、生では食べない。また、生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒する。 焼肉などをする時は、生焼けに注意するとともに生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分ける。沢水や井戸水を使用している施設では、衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認する。 長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成26年度 (内長野市)6件 (1件)422名 (8名)、平成25年度 (内長野市)20件 (3件)542名 (33名)となっている。 お問い合せは県健康福祉部 食品•生活衛生課 食品衛生係 (課長)高木正明 (担当)吉田徹也、塚田 竜介まで(電話026-235-7155〈直通〉026-232-0111〈内線2658〉FAX026-232-7288)。