飲食産業新聞

「ノロウイルス食中毒注意報」を全県に発令


2013.12.05(木曜日)

長野県健康福祉部は「ノロウイルス食中毒注意報」を4日に全県に発令した。感染性胃腸炎は主に冬期に流行するが、この患者の届出数が増加すると、それに伴いノロウイルス食中毒が発生する傾向にある。
県内における感染性胃腸炎患者の届出数に増加傾向が見られること及び全国的にノロウイルスによる集団感染が多発していることから、次のポイントに注意してノロウイルスによる食中毒を防ぐことを呼びかけている。
ノロウイルス食中毒を防ぐためのポイント
○ 石けんで手をよく洗いましょう。 外出先から帰った後、トイレの後、調理の前や食事の前などは、 石けんを使用し、手の汚れをしっかり落としましょう。
○ 加熱調理する料理は、中心部まで十分に火を通しましょう。食品の盛付は、お箸などを使って盛り付けましょう。
○ ノロウイルスによる感染性胃腸炎患者のおう吐物や下痢便中に は、多量のウイルスが含まれています。おう吐物などを片付ける場合は、マスクや使い捨ての手袋を着用して行い、汚れた場所は塩素系の薬剤で消毒しましょう。
食品を取り扱う営業者や調理業務に従事している方は、下痢、腹痛、おう吐などの胃腸炎症状がある時は、調理に従事しないようにしましょう。
手洗いのポイント
•石けんをよく泡立てて、指の先や指の間、手のひらや手の甲など、 手全体をていねいにもみ洗い して、最後に流水で十分にすすぎま しょう。
・水道の蛇口も手と一緒に石けんで洗い流しましょう。
・タオルは常に清潔なものを用意しましょう。

長野県内の過去5年間(平成 20 年度~平成 24 年度)における
ノロウイルスによる食中毒の発生状況

県内のノロウイルスによる食中毒は、平成 20年度から平成24年度までの5年間に、 38件(患者数1,296 名)発生している。その発生状況は下の図のとおりで、12月から3月にかけて多発していることが特徴だ。
ノロウイルス食中毒の発生要因と症状では、ノロウイルス食中毒は主に二つの原因で起こる。
①ノロウイルスが蓄積した二枚貝を「生」や「加熱不十分」で食べる。②人の手指等を介してノロウイルスに汚染された食品を食べる。
ノロウイルスに感染すると、下痢、おう吐、発熱といった症状が現れる。症状は1〜2日で治まるが、症状が治まっても1週間程度(長いときには1ヶ月以上)は、便とともにウイルスが排泄され続ける。トイレのドアノブや手すりなど、人の手が触れる場所は、このウイルスに汚染されてい る可能性が高い場所である。手指を介した感染や食品の二次汚染を防止するため、用便後や調理前の手洗いを十分に行うことが重要だ。

例年、ノロウイルス食中毒が冬期に集中して発生している。ノロウイルスによる感染症は、「感染性胃腸炎」の一部として報告されるが、その感染性胃腸炎の患者数が急増傾向を示すと、1〜2週間後にノロウイルス食中毒が発生する可能性が高いことがわかっている。そこで、ノロウイルス食中毒発生防止のため、平成15 年から、感染性胃腸炎の患者数が急増傾向を示した時点で、「ノロウイルス食中毒注意報」を発令している。




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